ソロ総合ランク考察『影浦は本当にアタッカー20位なのか?』

はじめに

この考察記事には単行本未収録の情報が含まれています。
考察を円滑に進めるため、本編のコマを引用する場合があります。


Round3の戦いを終え、次なる戦いに向けて個々の研鑽と情報収集を進める玉狛第二だったが、遊真と訓練していた村上から次の対戦相手である影浦の強さが言及される。

ワールドトリガー13巻P40(集英社葦原大介)】

影浦はアタッカーランク4位の村上より強いのに何故20位なのか?

その謎は単行本のおまけページで明かされ、以前影浦は根付さんにアッパーカットを見舞うという暴力沙汰を起こした結果、個人ポイント8000点没収されアタッカーランクが落ちていた事が判明した。(13巻カバー裏より)

だがワートリ読者なら遊真とは別の視点で疑問を持つだろう。
『影浦は本当にアタッカー20位なのか?』と。

かくいう自分も早速BBFを開き、強そうな攻撃手やソロポイントが開示されている攻撃手を上から順にそれっぽく並べてみると次の図のようになった。

その結果影浦は大体20位に収まっているため、『20位とかそのあたり』という村上の発言には何の問題も無い様に思える。

しかし香取が行った発言により、話はそう単純に決まらない可能性が出てきた。

ワールドトリガー16巻P79(集英社葦原大介)】

この場面は、一つのポジションに絞って上達を目指さない事を説教をする若村に対し、売り言葉に買い言葉で香取が嫌味を言うシーンである。

単純に香取のアステロイド(仮)のソロポイントが若村より高いだけなら、『アタシよりソロポイント下の人に~』となっても良いところだが、ここではハッキリと『ガンナーランクが低い』と言っている。
つまりオールラウンダーである香取にはガンナーランクが付与されているのである。

オールラウンダーの隊員がガンナーランクに振り分けられているなら、当然アタッカーランクにもオールラウンダーは混ざっているはずであり、そうだとすればさっきまとめた表が振り出しに戻る。


荒船はポジションこそスナイパーであるものの、弧月のソロポイントは8266であり無視するわけにはいかない。

よって剣トリガーを装備している中距離手等も仮に含めると、アタッカーランクには最大48名が在籍している可能性があり、村上の発言当時ソロポイント6780の影浦がアタッカー20位かそこらに入れるとは到底思えない。


なお問題はこれで終わらない。
問題を更に複雑にするQ&Aが公式から発表されたのだ。


このQ&Aでは長らく不明だった『オールラウンダーの序列』が遂に発表されたのだ。

そしてオールラウンダーのトップ3を示す事が出来るという事は、オールラウンダーだけを集計可能な明確な基準がある、つまりオールラウンダーランクなるものが存在するのだ。

ならば香取に付与されているガンナーランクとは何なのか?
それとも香取にはガンナーランクもオールラウンダーランクも両方付与されているという事だろうか?


『村上が行った影浦のアタッカー20位発言』
『香取に付与されているガンナーランク』
『オールラウンダーランクなるものの存在』

一見矛盾している様にも思えるこの3つの要素の最大公約数は一体どこにあるのか?
それとも誰かの発言に言外のニュアンスが存在するのか?

それでもなお村上の発言を信じ、『影浦は本当にアタッカー20位なのか?』という疑問を追求するべく考察を進めていくので、よろしければお付き合いください。



※※※本編で開示されていないルールや、解釈に幅がある情報については、『影浦を20位に押し込むために都合が良い物』を優先して選択することを予め宣言します。



1章. アタッカーランクから除外できる隊員は居るのか?


今回の考察では『村上の影浦20位発言』に軸を置いて議論を進めていこうと思う。


総勢48名いる剣トリガー使いの中で影浦をアタッカーランク20位に押し上げるためにまず議論すべきは、
『アタッカーランクから除外できる隊員は居るのか?』という事だろう。

ボーダーのランク戦のルールはQ&Aや単行本のオマケで記されている事が多いが、本編のさり気ない描写で示されている場合もある。

それらのルールの行間を読み取り、総勢48名いる剣トリガー使いをアタッカーランクから除外できるルールをこの章では模索していく。
(特に強そうな隊員を除外できるルールほど望ましい。)


1-1. ランク戦から除外される隊員について


まずは先ほど作成した剣トリガー使いの図から、『ランク戦そのものから除外できる隊員』が何人かいるので、その隊員について話を進めていこう。

【上:ワールドトリガー3巻P114(集英社葦原大介)】【下:ワールドトリガー7巻P60(集英社葦原大介)】

この2つのコマの発言から、本部が運営するA級~C級ランク戦には、黒トリガーを使う隊員と本部未承認のトリガーを使う隊員は参加できないという事が分かる。

つまり、S級隊員である天羽や迅(風刃)、小南(双月)はアタッカーランクから除外する事が出来るのだ。

ただし、小南に関しては以下のQ&Aによりアタッカーランクに在籍している事が確定している。

【質問コーナー⑮】
■小南先輩は攻撃手ランク3位とのことですが、個人ランク戦には顔を出しているということですか?またその場合はトリガーは何を使っていますか?


小南は中学時代までは習い事を優先していたので個人ランク戦は行っておらず、中学卒業間近~高校1年途中までの間だけ参戦してました。
その頃は、迅が黒トリガー使いになって、太刀川が微妙にやる気を失っていた時期で、小南は風間さんらと鎬を削って攻撃手ランク1位に到達。その後、玉狛の独立にともなってランク戦を離れましたが、太刀川と風間さん以外にはまだ個人ポイントを抜かれていないので、現在も攻撃手3位に位置しています。当時のトリガーは弧月(短め)二刀流でした。

つまり規格外のトリガーを現在使っている場合でも、その他に規格内のトリガーで個人ポイントを持っている場合は、ランク戦から完全には除外されずポジション別ランクにも登録されたままになるという事だ。

規格外のトリガーホルダーを使っているレイジが、近中遠のトリガーで8000ポイント付与されパーフェクトオールラウンダーを名乗れているのも、同じ理屈が適用されているからだろう。

以上の事から、3年前に迅が風刃を手にしてS級になって以降も、元々迅が使っていたスコーピオンの個人ポイントはアタッカーランクに登録されたままだと考えるのが妥当ではないだろうか。
*1



【1-1のポイント】
S級の天羽はランク戦から除外できる。
ただし迅は規格内のスコーピオンを元々使っていたため、アタッカーランクに組み込まれている可能性が高い。

1-2. 7人目の1万越えアタッカーは誰なのか

アタッカーランクを考察する上で外せないのが、『7人目の1万越えのアタッカーは誰なのか?』という議論である。

18巻P170の笹森の発言から端を発するこの議論は、7人中6人がほぼ確定している。(太刀川、風間、小南、村上、生駒、一条)

7人目として考えられる可能性は以下の3パターンだろう。


①まだ見ぬB級下位のアタッカーに1万越えの実力者が潜んでいる
②上位アタッカーの緑川や米屋が1万越えを達成した
③迅のスコーピオンの個人ポイントが1万を超えている

まず①についてだが、まだ見ぬ実力者がアタッカー上位に食い込んでしまうと、影浦を20位に押し込むに当たり非常に厄介なため、出来れば可能性から除外したい。

②について詳しくは別の章で解説を行うが、緑川や米屋、その他A級の実力者が1万越えアタッカーだと仮定した場合にとても不都合なことが起こるため、こちらの可能性も除外したい。*2

そのため今回は、③の迅が1万越えアタッカーであるという前提の元話を進めていこうと思う。


次に考えたいのが迅が1万越えアタッカーだった場合、その順位は5位なのか7位なのかという事だ。

これを論じるにあたりとても気になるコマがある。

ワールドトリガー18巻P181(集英社葦原大介)】

このコマは2月22日のRound6終了後、玉狛での会話の一部だ。

烏丸は何故わざわざ二人の名前を挙げたのか?

笹森はボーダーに1万越えのアタッカーが7人いることに対して象徴的な扱いをしており、ボーダー内でその7人の知名度は高くきっと順位まで広く知れ渡っている事だろう。

例えばワートリ読者に『No.6アタッカーは誰?』と聞いたら生駒だと即答するだろう。
だがもし香取隊って今B級何位?と聞かれたら即答することは難しいのではないか?

つまり2月22日の直前に生駒~雪丸の順位が変動する何かが発生した可能性が高いのだ。

1位~3位、及び村上の4位は最低でも2月10日~3月5日まで不動の順位であるため、あり得るとしたら5位以下の生駒、雪丸の順位が変動した場合だろう。

だが雪丸は2月22日時点でまだスカウト旅に出ているため、雪丸の個人ポイントが上昇して順位入れ替えが発生した可能性は無い。つまり順位入れ替えが発生するとしたら7位以下のアタッカーが生駒と雪丸ごぼう抜きした場合しかありえないのだ。


そして都合の良い事に1万越えのアタッカーを二人纏めてごぼう抜きできる様な個人ポイントの大きな変動が起こった出来事が一つある。

それは迅に付与されたガロプラ戦での特級戦功だ。
ガロプラ戦が行われたのは2月19日であり、特級戦功のポイントが付与されるとしたら翌日だろうか?


仮にガロプラの特級戦功もアフト戦と同じく1500だとすると、2月22日の直前にアタッカーランク元5位の生駒と元6位の雪丸の順位がまとめて抜かされる可能性は十分にあり得るポイントなのだ。


12042ポイントの村上の順位には影響を与えず、11177ポイントの生駒を丁度抜かすような迅の個人ポイントはどの様な範囲になるのか確認してみようと思う。


この図は迅の特級戦功の推移をまとめた物である。(話を単純にするため迅以外の隊員のポイント変動は考えない。)

よって迅のスコーピオンのポイントが大規模侵攻前に9200程度だった場合に、先程に挙げたような順位変動が起こる事が分かった。
(村上の順位を越さない迅のポイントの上限は9700程度)

そして迅のポイントがこの様な推移だと仮定すると、迅が1万越えアタッカーになったのは比較的最近だった事になるが、笹森発言時点で迅が1万越えになってから1ヶ月程度は経過しているため、笹森がさも一般認識かの様に1万越えアタッカーが7人居る事を語っていてもさほど違和感は無いだろう。

*3

よって迅が1万越えのアタッカーだと仮定した場合でも順位の推移や笹森の発言に矛盾が生じないどころか、烏丸の発言に意味を見出せるようにすらなるのだ。


【1-2のポイント】
迅は大規模侵攻戦の1級戦功で1万越えのアタッカーとなり、ガロプラ戦の特級戦功でアタッカー5位になった可能性が高い。


1-3. オールラウンダーの定義とは

ここからはオールラウンダーがソロ総合ランクでどの様に順位付けされているかを検討するべく、まずはその定義について振り返ってみようと思う。

【質問コーナー⑪】
■オールラウンダーの定義はなんですか?

「ガンナー用・アタッカー用のトリガーそれぞれで6000ポイント以上の個人ポイントを獲得した隊員」がオールラウンダーと呼ばれます。現在はボーダー全体のレベルが上がってきているので、8000ポイント以上にするべきという声もあります。

【質問コーナー⑭(抜粋)】
■加古さんはメイントリガーに銃手用のトリガーが入っていませんが、なぜ射手なのですか?

ポジションの呼ばれ方は、装備したトリガーの中で一番個人ポイントが高いもの、を基準に決まります(万能手は例外)。
加古さんはサブに装備しているハウンド(改)の個人ポイントが一番高く、メインに装備しているスコーピオンがまだ6000点に達していないので、射手です。
スコーピオンを6000点以上にして、万能手になりたい模様。

これらの定義について個人ポイントが7009の巴隊員を例に解釈すると、巴のポジションはガンナーである事から『ハウンドorアステロイド(拳銃)』のポイントが最も高く、そこに7009点が付与されている事になる。
また、呼称がオールラウンダーでない事から、巴の弧月の個人ポイントは6000未満である事が確定する。

つまり剣トリガーを装備しているのにポジションの呼称が射手・銃手である隊員は、剣トリガーの個人ポイントが6000未満であることが確定するのだ。


よって、巴、三雲、犬飼、加古が仮にアタッカーランクに入っていた場合でも、影浦のポイント6780を超すことは無いため、先ほどの表からこの4名を除外して良いだろう。

ただし荒船は狙撃トリガーと剣トリガーの組み合わせであるため、この理屈で除外することは出来ない

【質問コーナー⑥】
■オールラウンダーはスナイパーもできるんですか??

基本的にできません。近・中距離に対応するのがオールラウンダーです。
狙撃もできるパーフェクトオールラウンダーはレイジさんだけです。

つまり狙撃手の場合は、剣または銃手用トリガーの個人ポイントを上げたとしても『オールラウンダー』の定義から外れるためオールラウンダーと呼ばれる事は無い。

荒船の個人ポイントは弧月:8266、イーグレット:8349。

荒船は弧月が6000ポイント以下だから狙撃手と呼ばれている訳ではなく、近・遠の組み合わせの場合、個人ポイントが高い方の武器を元にポジションが決まるのでスナイパーで登録されているだけなのだ。



【1-3のポイント】
ポジションは持っている武器の内、最も個人ポイントが高い武器を基準に決定される。
ポジションが銃手・射手の場合は剣トリガーの個人ポイントが6000未満であることが確定する。


1-4. 『オールラウンダーランク』は存在するのか


今回の考察で最も重要な論点は『オールラウンダーのランクがどのように順位付けされているか』という事だ。

そしてオールラウンダーの順位集計方法を推測するにあたり重要なQ&AがBBFに掲載されている。

【BBF-Q240】
■ポジション別ランク、個人総合ランクは、具体的にどの数値で決まっているのでしょうか?個人ポイントのいちばん高いものですか?それとも全武器のポイントの合算ですか?


個人ポイントのうち一番高いもの、です。個人ランクは、全隊員の全武器のポイントのうち、だれが一番高いかで決まります。全射手の中で、二宮のアステロイドのポイントが一番高い→射手ランク1位。全隊員の全武器の中で、太刀川の弧月のポイントが一番高い→個人ランク1位、という感じです。合算ランクがあったらたぶんレイジが1位です。

とても重要な事がいくつも書いてあるため、要素を少しずつ抜き出しソロ総合ランクのルールを読み解いていこうと思う。


このQ&Aを元にまず考えたいことが、全射手の中で、二宮のアステロイドのポイントが一番高い→射手ランク1位。』という内容だ。

この文章からは、射手ランクに加わるのは射手だけというニュアンスが読み取れる。

当たり前のことでは?と思うかもしれないが、この文章は「荒船がどのポジション別ランクに割り振られているか?」を考えるために重要な解釈になる。
『射手ランクには射手しかいない』という事は、同様に狙撃手ランクには『ポジション:狙撃手』の隊員しかいない事になる。

つまりポジションが狙撃手である荒船は、攻撃手ランクには登録されず、狙撃手ランクにのみ登録されている事になるはずだ。

よって、荒船の様に複数の武器のポイントが高い隊員であっても、割り振られるポジション別ランクはポジション(=最も個人ポイントが高い武器)のみに由来するという事だろう。



次に考えたいのが、もし仮にアタッカーランクやガンナーランクとは別に、『万能手だけを個別に抜き出してランク付けしたオールラウンダーランクなるものが存在する場合、それはどのようなランク付けであるべきだろうか?』という事だ。


パッと思いつくオールラウンダーランクの集計方法は以下の2つだ。


①攻撃手トリガーと銃手用トリガーの内、ポイントが高い方をランキングの順位に反映する。
②攻撃手トリガーと銃手用トリガーの個人ポイントを合算したポイントをランキングに反映する。

まず①について考えてみるが、攻撃手トリガーと銃手用トリガーの内、個人ポイントの高い方を個別に抜き出して万能手のランキングを付けるのであれば、やっていることはアタッカー・ガンナーランクと変わらないため、『オールラウンダーランク』である必要性は薄い様に思える。


では次に②の集計方法についてはどうだろうか。
オールラウンダーとは近中2つの武器を極めた隊員に与えられる言わば称号の様な物であり、近中2つの武器をどれだけ使いこなせるかを示す指標として2つの武器を合算するランク付けは十分あり得るだろう。
*4

しかし②の集計方法には一つ欠陥がある。


【質問コーナー⑪】

■オールラウンダーの定義はなんですか?

「ガンナー用・アタッカー用のトリガーそれぞれで6000ポイント以上の個人ポイントを獲得した隊員」がオールラウンダーと呼ばれます。現在はボーダー全体のレベルが上がってきているので、8000ポイント以上にするべきという声もあります。

現在ボーダー内にはオールラウンダーの定義を見直す動きがあることがこのQ&Aから分かる。

もし定義が見直され8000ポイントがオールラウンダーの基準になった場合、片方の武器の個人ポイントが6000~8000未満の隊員はオールラウンダーの定義から外れ、アタッカー又はガンナーになってしまう。

つまり②の集計方法だと定義を変えた瞬間に、元オールラウンダーがアタッカーランク・ガンナーランクに一気に流れ込むことになるため、順位付けそのものが形骸化してしまう恐れがある。

そのためオールラウンダーをランク付けする場合、オールラウンダーの定義が変わったとしても、ポジション別ランクに影響が出ない仕組みがあることが望ましいと言えるだろう。





以上の論点をまとめると、オールラウンダーランクに求められる要件は以下の様になるだろう。


●オールラウンダーである香取にガンナーランクが付与されている事
●オールラウンダーの定義が変わってもポジション別ランクに影響が出ない仕組み
●複数の武器を持っていても割り振られるポジション別ランクは最も個人ポイントが高い武器に由来する。

これらの条件をすべて満たす『オールラウンダーのランク付け方法』がある。


オールラウンダーは所持している剣トリガーと銃手用トリガーの内、個人ポイントが高い方のポジション別ランクに組み込まれた上で、近中の武器の個人ポイントを合算し順位付けした『オールラウンダーランク』が付与されるという方法だ。

ガンナーランクが付与されている香取を例に挙げて説明すると、香取の武器の中でアステロイド(仮)の個人ポイントが最も高いので、香取にはガンナーランクが付与されアタッカーランクは付与されない。

そして近中どちらも6000ポイントを超えているため、2つの武器のポイントを合算したオールラウンダーランクも付与されるという事だ。


なおこのランク付けの方法は、公式Q&Aの回答にあった『ガンナーTOP3』という回答とやや矛盾が生じる様に思える。
しかしガンナー『ランク』では無くガンナー『TOP3』という表現をしているため、ランクという用語を使う事をあえて避けたと捉えることもできる。
そのため今回の考察では、『ガンナーTOP3とはガンナーランクから純ガンナーのみを抜き出だした結果を言っており、実際のガンナーランク1~3位にはオールラウンダーも居る可能性がある』と解釈する。


そしてこのランキング集計方法を図に表すと下図の様になる。

オールラウンダーは作中でポジションの1つとして扱われているが、ソロ総合ランクに当てはめる場合は『一定の個人ポイント基準を満たした隊員に与えられる称号の様な物』と解釈すればよいのではないだろうか。

そしてこの集計方法はオールラウンダーというポジションをソロ総合ランクの枠組みから除外しているため、『(ソロ総合ランクは)全隊員の全武器のポイントのうち、だれが一番高いかで決まります』という『複数のトリガーを合算したポイントはソロ総合ランクに含まない』と言うニュアンスにも合致する。

今回の考察では便宜上『オールラウンダーランク』という言葉を用いたが、作中では一度も『オールラウンダーランク』という用語が使われていない。
他のポジション別ランクとはそもそもの性質が異なるため、正式なランクとしては集計されていない可能性も考えられるだろう。



【1-4のポイント】
オールラウンダーは近・中のトリガーの内、個人ポイントが高い方のポジション別ランクに振り分けられる。

1章まとめ

1章で考察した情報を纏めると、


●S級隊員の天羽
●ポジションがアタッカーで無い加古、犬飼、荒船、三雲、巴
●ガンナーランクに振り分けられた香取

以上の7名がアタッカーランクから除外できるという結論になったので、その途中経過を纏めてみた。

影浦を20位に押し込むためには、人数が多いオールラウンダーをアタッカーランクから除外できる可能性を模索しなければならない。

先程考察したように、オールラウンダーは装備している武器の内、個人ポイントが高い方のポジション別ランクに割り振られるとすると、銃手用トリガーのポイントの方が高いオールラウンダーを見つけることが出来れば、その隊員をアタッカーランクから除外して影浦の順位を底上げできる可能性がある。


よって次に議論するべきは、『オールラウンダーが所持する近・中武器の内、個人ポイントが高いのはどちらか?』という事だろう。

しかし作中でオールラウンダーの具体的な個人ポイントは全くと言って良いほど明かされていないため、香取以外のオールラウンダーをアタッカーランクから除外する確実な方法は無い。


だがBBFを開いてあらゆる情報を検討した結果、オールラウンダーの近・中の個人ポイントの内どちらが高いかを定量化できる一つの可能性が浮かんできた。

次の章ではBBFに隠された全隊員の個人ポイントを示唆する『ある法則』について議論を進めようと思う。


2章.チームパラーメータ考察『オールラウンダーはチームパラメータにどのような影響を与えるのか』

1章のまとめで述べた『オールラウンダーの近・中の個人ポイントの内どちらが高いかを定量化できる方法』とは『チームパラメータ』の事だ。

【BBF-P35】

❸チームパラメータ

近距離・中距離・遠距離それぞれにおける、各チームの対応力をグラフ化した。

BBFによるとチームパラメータとは各チームの『近・中・遠』距離毎の対応力の高さを示しており、例えば柿崎隊のチームパラメータは以下の様になっている。

この図は柿崎隊のチームパラメータを計測しグラフに落とし込んだ図だが、近距離と中距離の対応力にそれぞれ注目してほしい。

柿崎隊は3人とも似たようなトリガー構成になっているが、チームの対応力は近距離よりも中距離に秀でていることが分かる。
よって普段から銃手用トリガーで戦う機会が多いと考えられ、柿崎隊3人が相手にとどめを刺す時も自然と銃手用トリガーになる事が多いのではないだろうか?

つまり柿崎・照屋は共に、銃手用トリガーの個人ポイントの方が高いオールラウンダーである可能性が高いのだ。

この考えに基づくと、オールラウンダーが所属している部隊のチームパラメータを分析し、近・中どちらに比重があるのか確認する事が出来れば、オールラウンダーの個人ポイントの比重も定量化出来るのではないだろうか?

よってこの章ではチームパラーメータにスポットライトを当てて考察を進めていく。

2-1.チームパラーメータの計測方法

チームパラメータのレーダーグラフは少し癖のあるグラフだったため、数値を計測するにあたっていくつかルールを設けた。

以下に二宮隊のチームパラメータを例にして計測のルールを列挙してみたので確認してほしい。

図中にも記載したが、チームパラメータはすべて整数で構成されているという前提の元、計測・分割を行っていく。




そして上記のルールに基づいてBBFに記載されている全22部隊のチームパラメータを計測した結果が以下の表だ。

こうして並べてみると玉狛第一だけ頭一つ抜けた合計値になっているため、ボーダー最強部隊は玉狛第一だという例のQ&Aにも納得だろう。

【BBF-Q267】
玉狛第1は最強の部隊と言われていますが、ぶっちゃけ太刀川隊より強いの?


唯我尊というキーパーソンの存在により、確実に玉狛第1の方が強いと言い切れます。

2-2.チームパラーメータの分割

次に行いたいのが、『各部隊のチームパラメータを構成する数値を、どの隊員に何Ptずつ振り分ける事ができるか?』という操作だ。

例えば近中遠バランスよく編成されている影浦隊と鈴鳴第一を例に挙げてポイントを割り振ってみる。

この2部隊は隊員間でポジション被りが無く、ポジションと異なる武器も使っていないため、チームパラメータを構成する近Pt・中Pt・遠Ptは、その距離に対応した隊員に全て割り振ることが出来る。


※以降Ptという単語は『チームパラメータを分解・集計して得られた数値』に対して用いるものとする。



同じ要領を用いると、部隊内で『ポジション』と『武器の射程』が被っていない太刀川隊の太刀川(近8Pt)、草壁隊の宇野(遠4Pt)を始めとした狙撃手たち、諏訪隊の笹森(近3Pt)等もPtを確定させることが出来る。


ポイント①:『ポジション』と『射程』が被っていなければPtを振り分けることが出来る。


次にポイントが分割出来るパターンは、チーム内に同格として扱われている隊員がいる場合だ。

例えば東隊を例に挙げると、小荒井と奥寺の2名は作中で同格のキャラとして扱われることが多い。
よって東隊の近4Ptをこの二人に振り分けるとしたら2Ptずつが妥当ではないだろうか。

つまり部隊内でポジションが被っている場合でも、それが同格のキャラであればポイントを等分することでPtを確定出来るのだ。


ポイント②:同格の隊員であればPtを等分することができる。

そしてこの例にはおそらく茶野隊や間宮隊、甲田隊も当てはまるだろう。


だがここで問題が生じる。シューター3人編成の間宮隊の中Ptが中途半端な5Ptなのだ。

なるべく均等に割り振るとしたら2・2・1しか考えられないが、あの3人の中から誰か一人を選んで1Ptを付与しなければならない。
3人に何か差は無いものかとBBFを開いてみたところ、一つの可能性を見つけた。

秦稔のみアステロイドを装備していないのである。


【4巻P108】
通常弾アステロイド
特殊な性能のない通常弾。
威力が高く、集中砲火が非常に強力

ステロイドと言えば中距離手なら誰でも装備している中距離戦の要となるトリガーだが、そんな大事なトリガーをわざわざ外して秦稔はメテオラを選択しているのだ。

他二人が装備していないトリガーを選択することで部隊戦術に幅を持たせる目的があるのだろうが、その結果秦稔個人の突破力が乏しくなり中距離の対応力が他二人よりも低く評価されているのではないだろうか?

つまり銃手用トリガーを使っている場合でも、それがアステロイドでない隊員は中Ptが低くなる可能性があると言えるのだ



そしてこの傾向は秦稔に限った話ではない。

『何故王子はオールラウンダーで無くアタッカーなのか?』という話にも繋がるのだ。

この図はBBF掲載時点で剣トリガーと銃手用トリガーを両立している隊員を、『アステロイドを装備しているか否か』でポジション毎に整理した表だ。

かなり露骨な傾向が見て取れるが、この表をアタッカー目線で分析した場合、アステロイドを装備したアタッカーはオールラウンダーになれるといっても過言ではないのだ。

逆に言えば、本編であれだけ華麗にキューブを操作していた王子でも、ハウンドだと中距離戦での突破力は低く個人ポイントを6000まで上げるのが困難という事なのだろう。


そして話を間宮隊の秦稔に戻す。

ステロイドを装備していない秦稔は撃破数を稼ぐことが出来ず、間宮・鯉沼の2名と比べて個人ポイントが低いと思われる。
そしてその傾向はチームパラメータにも表れており、間宮隊3人の中で秦稔に割り振られる中Ptのみ低い結果となっているのだろう。


ポイント③:アステロイドを装備していない場合、中Ptが低くなる。


秦稔のみPtが低い事、アステロイド以外では個人ポイントを十分稼げずオールラウンダーになれない事は無関係だとは思えない。

ここで極めて重要な可能性を述べるが、チームパラメータと隊員の個人ポイントの間には、想像以上に深い関係があるのではないだろうか?

その可能性を頭に入れつつ、次はマスタークラス擁する三輪隊と二宮隊のチームパラメータの分解を行ってみる。

二宮隊はアタッカーが1人のため、近の4Ptは辻に割り振るのが妥当だろう。

そして三輪隊は近中合計8Ptあるが、三輪隊エンブレムの双蛇が示す通り三輪と米屋は同格扱いされている事(23巻P122)、銃手用トリガーを装備しているのは三輪だけである事から、ポイントを割り振るとすれば図の通りで確定できるだろう。

三輪の様に複数の距離のトリガーを使う隊員、つまりオールラウンダー等の場合、その隊員個人の強さの『格』は合計Ptにより表現されており、その後武器の射程に応じてPtが分割されるというルールが見えてくる。


ポイント④:オールラウンダーのPtは『近』と『中』に分割される。

Ptが個人ポイントに対応している可能性を踏まえると、それぞれ近中に割り振られるPtは、剣トリガーと銃手用トリガーの個人ポイントの大小関係に応じて分割されているのではないだろうか?


2つの武器の個人ポイントが明かされている隊員と言えば荒船だ。
荒船の個人ポイントは弧月が8266、イーグレットが8349であり、ほぼ1:1となるため近遠Ptもバランスよく分割されるのではないだろうか。

近遠のPtをバランスよくを荒船に配分するならば、図の様に近2Pt・遠2Ptと割り振るのが妥当だろう。
その結果隊長かつエースの荒船が4Pt、穂刈半崎はそれぞれ3Ptずつとなるため、部隊全体で自然なポイント配分になっているように感じる。

同様にオールラウンダーが居る吉里隊のパラメータも、各隊員が装備している武器に応じてバランスよくPtを配分することが出来るため、隊員に割り振られるPtは装備している武器に応じて分割されると考えて良いのだろう。


ポイント⑤:射程が異なる武器を複数装備している場合、隊員のPtは装備している武器の射程に応じて分割され、その割合は武器毎の個人ポイントの大小により決まる。


そして隊員個人のPtが装備したトリガーの性質に応じて近中遠に分割されるならば、トラッパーが在籍する冬島隊と加古隊のパラメータも分割出来る様になるのだ。

トラッパーが居る冬島隊と加古隊のチームパラメータを並べてみると、それぞれ中距離手が居ない冬島隊に中が2Pt、狙撃手が居ない加古隊に遠が2Pt割り振られている。

これはトラッパーというポジションはチームパラメータ上では『中』と『遠』にPtが割り振られ、その比率は1:1であるという事を示しているのだろう。


ポイント⑥:トラッパーには『中』と『遠』Ptが割り振られる。

チームパラメータを構成するルールがいくつか判明したが、一度ここで『Ptが個人ポイントに対応している可能性』について深堀りしてみようと思う。

現時点でPtの分割が確定した隊員の中で、個人ポイントが明かされている隊員を並べてみると下図の様になった。

この図は個人ポイント順になるように上から並べているが、各Pt帯における個人ポイントの基準値がおぼろげに見えてこないだろうか?

例えば4Ptになった隊員はいずれも個人ポイントが8000強から10000弱、つまりマスタークラス相当の隊員なのだ。

そして2Ptと3Ptの境界値は大体7300~7400ポイント位に見える。


よってチームパラメータを個人ポイントを基準に分割する場合、以下の方針を設定できそうだ。

●マスタークラス相当(8000強~10000弱?)の場合4Pt
●大体7300を超える場合に3Pt

この基準値を元にチームパラメータの分割を再開してみよう。


ポイント⑦:マスタークラス相当の隊員には4Ptが割り振られる。

次に分割する部隊は個人ポイントが開示されている緑川と三浦が在籍している草壁隊と香取隊だ。

これまでに示した基準に基づいてPtの分割を行ったが、ガンナーランク1位の里見が5Pt相当だという事は、今後チームパラメータを考察するにあたり重要な基準の1つとなるだろう。


ポイント⑧:ガンナーランク1位の里見は5Pt相当。

そしてこの章の最重要目的である『オールラウンダーの隊員がチームパラメータ上で近中どちらに比重が置かれているのか』という事を検証するべく、オールラウンダー擁する玉狛第一、風間隊、嵐山隊、柿崎隊のチームパラメータの分割を一気に行っていく。

なおパラメータを分割する際、オールラウンダーをガンナーランクに振り分ける余地を残すため、無理のない範囲で中Pt≧近Ptとなるようにしたい。



ここまでの操作でオールラウンダーが居る部隊のチームパラメータをすべて割り振る事が出来たので、一度その結果を振り返ってみよう。

以上の結果から、木崎、嵐山、時枝、柿崎、照屋の5名は中Ptが最も高いことが分かった。
つまり普段この5名が最も得意とする距離は中距離戦であり、個人ポイントも自然と銃手用トリガーが最も高くなるだろう。

よってこの5名はガンナーランクに振り分けられると考えて良いだろう。


なお、上記の5名以外は近Pt=中Ptとなってしまい、近中どちらのトリガーに比重があるか不明という結果になったが、香取にガンナーランクが付与されている以上、近Pt=中Ptの場合でも銃手用トリガーの個人ポイントが最も高くなる可能性は十分あり得るだろう。

そしてこの表で気になる点がもう一つある。それは中Ptの方が高くなったオールラウンダーには『アサルトライフルを装備している』という共通点がある事だ。

そもそもアサルトライフルは射程を使ってじっくり削るのに適したタイプの銃であり、もしアタッカー寄りの戦術を取りたいのであれば片手で扱えるハンドガンや射手スタイルの方が適しているのではないだろうか?

ここで玉狛第一の取る戦術についてBBFを振り返ってみる。

【BBF-P89】
FORMATION&TACTICS
オールラウンダーのコンビが援護して小南の強烈な一撃でとどめ‼

エース攻撃手である小南を主軸にした、玉狛第1の基本戦術。
万能手の二人は銃手用トリガーを使用し、中距離からの援護射撃に専念。小南による必殺の一撃を狙う

烏丸のエスクードを最大限に活用!
堅実な射撃戦で相手を封殺‼
FORMATION&TACTICS
オールラウンダーのコンビが援護して小南の強烈な一撃でとどめ‼

後退しながら戦う陣形。エスクードで攻撃を完全遮断し、強烈な弾幕で相手のトリオンを削る

BBFで紹介されていた玉狛第一の戦術を見ると、烏丸の戦術は銃手用トリガーに偏っていることが分かる。

また、北添秀高もアサルトライフルスコーピオンを装備しているが、遊真に瞬殺された際はアサルトライフルを構えているため、銃トリガーを普段使いしているように思える。

アサルトライフルを装備している烏丸、北添(秀)、佐伯、海老名の4名は、射程を使った戦術を使用するためにアサルトライフルを選んでいるのではないだろうか?

つまりはこの4名は部隊で戦う時は射撃に偏重した戦術を用いる可能性が高く、その結果銃手用トリガーにポイントの比重が偏ると考えられる。よってガンナーランクに振り分けるのが妥当ではないだろうか?*5


ポイント⑧:近Pt=中Ptでもアサルトライフルを装備している場合、戦術がガンナー寄りになるためガンナーランクに割り振られる可能性が高い。

オールラウンダーが所属するチームパラメータを分析したことで、中距離戦を得意とするオールラウンダーの共通点の様な物が見え、『銃手用トリガーの方が個人ポイントが高そうなオールラウンダーを見つける』という当初の目的は達成されたと思われるが、ここまで来たら最後まで分割を進めていこうと思う。

これまでの分析からオールラウンダーはいずれも装備した武器に応じて近中にPtが分割される様だが、同じように近中の武器を使っていてもポイントが分割されない例がある。

それが玉狛第二と那須隊だ。

この2部隊についてなるべく違和感が出ない様にPtを分割したが、使用している武器と近中のPtが必ずしも一致していないことが分かる。

三雲に近Ptが無い事と熊谷に中Ptが無い事には何か共通の理由があると思う。

ここで剣と銃手用トリガーを両立している隊員(オールラウンダー以外)を抜き出して比較してみようと思う。

メテオラ装備の小南と熊谷の中Ptが0になっているが、アステロイド未装備の秦稔の中Ptが低く査定されていた事と同じ理屈で、メテオラの威力が低いため中Ptが付与されないのだろう。

威力が低いメテオラを装備している小南達に中Ptが無いなら、威力の低いレイガストを装備している三雲も同じ理由で近Ptが0になっていると思われる。

BBF-P212,213によると、同じ剣トリガーでも弧月とスコーピオンの攻撃力がAである一方、レイガスト(剣)の攻撃力はBであり一歩劣った性能になっている。
その上三雲はレイガストを専らシールド代わりに運用している防御寄りのシューターであるため、近Ptが割り振られていなくても納得だろう。

では威力が高い剣トリガーを使っている加古、巴、犬飼の3人に差があるのは何故なのだろうか?


この3者の違いが何か考えたが、おそらく剣トリガーの運用方法に違いがある。

加古さんはオールラウンダーを目指している事から、自分の戦術にスコーピオンを取り入れようとする積極的な姿勢が伺える。
巴もポジションこそガンナーであるものの、Round5では積極的に弧月を運用していた。

しかし犬飼がスコーピオンを使用した場面は、自分の腕についた鉛弾を切り離す時のみであり、それ以外はガンナーとして離れた距離から戦況をコントロールする動きに終始している。

これらを踏まえ総合的に判断すると、近中武器を両立している隊員に近中Ptが両方付与されるためには、両方のトリガーに十分な攻撃力がありつつ、かつ積極的に得点に絡むような運用をしている必要があるのだろう。


ポイント⑨:威力の高い武器を積極的に使う場合に、その射程に応じたPtが割り振られる。


この考えにより玉狛第二のポイントが確定したが、次に気になるのは三雲と雨取が2Ptである事だ。

吉里隊が3人とも2Ptであった事を踏まえると、2Ptには平均的なB級下位から正隊員に上がりたての隊員まで含まれていることになる。

そこから考えると、三雲に勝ち越す実力を持ちながらも『B級と比べても結構見劣りする弱さ』と評される唯我も2Ptの範囲に入るのではないだろうか?

最後に諏訪隊のチームパラメータも分割してみたが、堤に割り振られるチームパラメータも2Ptという結果となった。

2Ptが付与された隊員を振り返ると、堤や小荒井・奥寺を始めとしたB級の中堅戦力や、吉里隊の様な平均的なB級下位、B級に上がりたての三雲や雨取など、とても広い範囲の隊員が当てはまっている。

以上の事から2Ptとは正隊員相当の実力を持つ隊員に広く割り振られるPt帯と考えて良いだろう。


ポイント⑩:2Ptとは正隊員以上の隊員に広く割り振られるPtである。

2章まとめ

2章でチームパラメータを分割・分析した事により、アタッカーランクから除外できると考えられるオールラウンダーは以下の様になった。

●チームパラメータ上で中Ptが最も高い木崎、嵐山、時枝、柿崎、照屋の5名
アサルトライフルを装備し普段から銃手用トリガーを使う機会が多いと思われる烏丸、佐伯、北添(秀)、海老名の4名

以上の9名をアタッカーランクから除外できると考え、現時点の途中経過を再度まとめてみた。


中距離戦に秀でたオールラウンダーの割合がやけに高くなった気もするが、銃トリガーと剣トリガーの得点しやすさを考えるとある意味当然とも言える。

そもそもポジションとは入隊試験の結果を元に本人の適正に合った物からスタートするため、最初に使い始めた武器のポイントが最も高くなるのは自然な事だろう。(BBF-Q211)

重要なのはそこから先で、元々使っていた武器に加えて異なる射程の武器を追加しようとした時、銃手用トリガーを使っていた隊員が新たに剣トリガーを使い始める方がオールラウンダーになる難易度はその逆に比べて遥かに低い。

剣トリガーは威力が高いので、アタッカーとしての適正が低くても個人ポイントをある程度稼ぎやすいからだ。



現時点でアタッカーランクに入る可能性の方が高い隊員は総勢32名。

オールラウンダーを大勢アタッカーランクから除外することに成功したが、影浦をアタッカー20位に押し込むためにはあともう一歩何かが足りない様に感じる。

ここで一旦アタッカーについての考察からは離れ、チームパラメータ考察の中で結論を保留していた疑問をもう一度考えたい。

結局三輪隊の『遠』8Ptは奈良坂と古寺にどの様に振り分けるべきなのか?


2章で考察した全隊員のチームパラメータのPtを表にまとめてみた。


奈良坂と古寺には狙撃手としての実力に大きな差があるため、三輪隊の『遠』8Ptを等分する訳には行かず、分割するとすれば『6:2』か『5:3』になるだろうが、どちらの場合でも問題無い様に感じる。
逆に言えばPtの分割を確定することが出来ない。

この疑問は放置するべきではない、もしかするとチームパラメータにはまだ他にも影浦を20位に押し込むための手掛かりが眠っているかもしれない。

よって次の章では奈良坂と古寺のPtを確定させるべく、スナイパーの格付けについて考察を進めて行こうと思う。

3章.捕捉&掩蔽訓練考察『隠岐は捕捉・掩蔽訓練で何位だったのか』

スナイパーの強さについて議論をするなら最も参考となるのが、やはり捕捉&掩蔽訓練の順位だろう。
この章では訓練の順位に秘められたある法則について考察を進めて行きたい。


以前自分は隠岐のパラメーターが開示されていない時期に『隠岐のパラメーターはいくつなのか?』というテーマを考察するべく、捕捉・掩蔽訓練の分析を行った事があるのだが、その結果隠岐は捕捉&掩蔽訓練で6位であった可能性が極めて高いという結論になった。

以下に当時の考察ツイートのリンクを貼りつけたので、気になる方は確認してほしい。

*6

上記の考察から重要な要素を抜粋すると、


①捕捉&掩蔽訓練の順位は【攻撃・技術・機動・射程】のパラメーターの合計順になっている。
②合計が同率の場合は【射程】が大きい方が高順位
③荒船の【攻撃】は弧月込みのパラメーターのため同率の中で最も順位が低い
④佐鳥は考察できない。


①について何故そうなるのか今回の考察でも触れておこうと思う。

以前訓練の順位を考察していた時、『特定のパラメーターの合計が順位に影響してるのでは?』と思い検証を進めたところ、【攻撃・技術・機動・射程】の4つを合計した時に最もきれいに順位に対応する事が判明した。

当時の考察では大体隠岐のパラメーターはこのくらいかな?という値を代入して『隠岐は6位』という結論を出していたが、今となれば本誌で連載中の戦闘シミュレーション編で隠岐のパラメーターが開示されたので、①の検証を改めて正確に行う事が出来るようになった。


※1【攻撃】6
※1【機動(≒回避)】7 *7
※1【技術】8
※2【射程】7

(※1:ジャンプSQ2021年12月号P227より)
(※2:ジャンプSQ2022年1月号P438の<射程早見表>より、隠岐の【射程】は荒船と同値だった)

これらのパラメータを先ほど示した①の法則に基づき当てはめると、隠岐の順位は空席の6位にピタリと当てはまるのだ。

(この章では『TOTAL』という単語を【攻撃・機動・技術・射程】の4つのパラメーター合計という意味で用いる)

この表を見ると、考察不可能な佐鳥を除いた全ての隊員に法則①が当て嵌まっている。

①について何故訓練の順位が【攻撃・技術・機動・射程】の合計になるかを説明するためには、逆に何故それら以外のパラメーターが訓練の順位に影響を及ぼさないかを説明した方が分かりやすいだろう。

■【特殊戦術】

特殊戦術とは改造トリガーの装備や部隊戦術に依存する要素が大きいため、イーグレット1本で行うこの訓練において【特殊戦術】は結果に影響を及ぼさない。

■【指揮】【防御・援護】

「指揮」する部下も「援護」するべき味方も居ないため、これらのパラメーターは訓練結果に影響を及ぼさない。

【防御】の要素についてだが、この訓練ではシールドを使えない設定のため【防御】が介在する余地はない。
*8

よって、シールドが無い訓練において【防御・援護】も訓練結果に影響を与えないのだ。


■【トリオン】

【質問コーナー⑩】
■狙撃手用トリガーはどのくらいの距離まで正確に命中させることができますか?

的が動かないなら、精密射撃が得意な奈良坂や半崎がイーグレットを使えば、1km先の表的にも当てられると思います。アイビス、ライトニングは、もっと射程が短いです。

このQ&Aではイーグレットの射程について記載されているが、スナイパーの中で【トリオン】が5と最低値タイである半崎でも、イーグレットの射程ボーナス込みで1km先まで弾を届かせることができるのだ。

ワールドトリガー14巻P61(集英社葦原大介)】

このコマは千佳の予想外の距離から当真がヘッドショットを決めるシーンである。
トップレベルのスナイパーであれば実戦形式の訓練でも600m以上離れた的に弾を命中させられる事を表しているのだろう。

これら二つの描写から導かれる結論としては、イーグレットは弾を最低でも1km先まで届かせる性能を持っているが、的が動く実戦においてその射程を最大限活かすことが出来る隊員はほぼ居ないという事だ。

つまりイーグレットを用いた捕捉&掩蔽訓練では、トリオンの多寡が成績に及ぼす影響は無いに等しいのだ。


佐鳥はなぜ捕捉&掩蔽訓練で2位だったのか?

隠岐のパラメーターと法則①はとても綺麗に対応していたため、法則①はほぼ正解かの様に思えたが、実際にはその傾向に当てはまらない隊員が3名もいる。

その3名とは訓練で遊んでいる当真と絵馬、そして『考察の特異点』佐鳥だ。


スナイパーランク1位の当真は訓練の順位こそ低いものの、B級以上の実力者のみ狙いつつ自分は被弾0のまま訓練を終えるという離れ業を見せている。
さすがスナイパー1位と思いたくなる結果だが、先程述べた4つのパラメーターのTOTALを見ると、奈良坂が38である一方当真は36。
TOTALにおいて何故か当真の方が低いのだ。

そして一方の絵馬と言えばTOTALは半崎と同率の32だ。
半崎は優秀なスナイパーであるものの、元A級隊員である絵馬と比べると一歩劣る印象を受けるため、TOTAL値が同じである事に違和感を覚えてしまう。

当真と絵馬の二人は訓練で遊んでいるので、実際の実力がはっきりとは見えている訳ではない。
『もし真面目に訓練に取り組んだら実は①の法則通りの順位に当てはまるのでは?』という風に、2人が①の法則と合致しないことに対して最悪言い訳することもできる。

しかし当真、絵馬の二人を誤差と割り切って無視したとしても最後の壁が立ちふさがる。

佐鳥は真面目に訓練に取り組んでいるのだ。


真面目に訓練してるなら他の隊員と同じ様に①の法則に従っても良いはずだが何故か佐鳥だけが当てはまらない。
何故佐鳥だけ他の隊員と違う傾向を示すのか?もしかして①の法則は間違っていたのか?

考察の特異点たる佐鳥に長年苦しめられてきたが、遂に本誌でその理由が明かされた。









ジャンプSQ.2022年5月号第211話「遠征選抜試験」(集英社葦原大介)】

そう、佐鳥は感覚派スナイパーだったのだ

感覚派スナイパーという分類の初出は単行本7巻の巻末付録『ボーダーポジション診断チャート』だが、本編でここまではっきりと、しかも三人まとめて括られた描写はこのコマが初めてではないだろうか。
*9

奈良坂曰く感覚派スナイパーとは型にはまらない自由な才能を持っている。
つまり数値で測る事が出来ない『規格外の何か』を持っているのだ。

言い換えるならば、感覚派スナイパーたる当真、絵馬、佐鳥の三名に限っては、TOTALという規格内の数値にとらわれた考察と矛盾していても問題ない。

よって①の法則は感覚派の隊員という例外を除き『すべての狙撃手に当てはまる普遍的なルール』だと扱っても良い事になるのだ。


荒船はなぜ捕捉&掩蔽訓練で7位だったのか?

捕捉&掩蔽訓練は実戦形式で行われる訓練のため、この順位はそのままスナイパーの格付けとしても使用できるはずだ。
つまりスナイパーの強さ順は【攻撃・技術・射程・機動】の合計値で表す事が出来ると言い換えても良いだろう。

そうなると訓練に参加しなかった東さんも、パラメーターのTOTALを比較する事でスナイパーの格付け議論に挙げることが出来る様になる。

先ほど纏めた順位表に今度は東さんのパラメーターとチームパラメータ考察で整理した『遠』のPtを記入してどのような結果になるか見てみようと思う。
(ついでにB級16位海老名隊の乙川と、B級18位常盤隊の斎藤も表に組み込む)

*10
この表をまとめてまず気になるのが『何故4Pt相当の荒船がその位置になるのか』という事だ。

荒船の狙撃はマスタークラスであるため、その順位より高い狙撃手は全員マスタークラス相当なのか?という疑問が湧いてもおかしくないが自分は違うと考えている。

例えばRound2の穂刈と笹森が対峙した場面について思い返してほしい。

笹森に追いつかれそうになった穂刈は逃走を諦め捨て身の狙撃で荒船を援護していた。
あの場面は穂刈が渋い活躍を見せた名シーンだが、あれがもし荒船だったらどうなっていただろうか?

荒船なら味方に向けて『捨て身の援護射撃』をしても、そこから弧月に持ち替えて自分を狙ってきたアタッカーと撃ち合うこ事も可能なため、荒船にとって『寄られる事』は致命的でない。

つまり荒船は弧月を持つことでスナイパーとしてリスクある行動を選択する余地があり、結果的に狙撃手としての立ち回りに幅が生まれると言えるのだ。

荒船のイーグレット8349ポイントは、そういう異なる射程武器を両立する隊員の優位性込みの個人ポイントなのだろう。
*11

よって捕捉&掩蔽訓練の様にイーグレット一本で行う訓練ではその優位性が活きないので、狙撃一本で戦ってきた穂刈半崎らに軍配が上がるという結果になるのだろう。

奈良坂と古寺の実力にはどのくらい差があるのか?

ここからは今回の考察の目的である『三輪隊の遠8Ptを奈良坂と古寺にどう振り分けるべきか?』という話を進めて行こう。

パッと見の印象としては、6Ptの当真と東さんに挟まれているため奈良坂も6Ptではないだろうか?

一方古寺の順位はB級下位の乙川と斎藤に挟まれ9位になっている。

2章で行ったチームパラメータ考察を思い返すと、平均的なB級下位である吉里隊が全員2Ptだったため、乙川と斎藤も同様に2Pt程度になると思われる。

つまり2Pt帯に挟まれた古寺も2Pt相当であると考えるのが一番自然なのだ。

その上TOTAL値でも日浦(2Pt)と同じく27であり、古寺は2Ptであると結論付けて良いだろう。


よって、訓練順位を元に奈良坂と古寺に自然にPtを付与するとそれぞれ6Ptと2Ptとなり、結果三輪隊の『遠』8Ptと一致しているので、分割が確定したと考えて良いだろう。

3章まとめ

捕捉&掩蔽訓練をの順位を考察したことで三輪隊のチームパラメータを含め全ての部隊のチームパラメータの分割が完了した。

ここで改めてチームパラメータ分割結果の表を貼り付けてみる。

ここまで分割することが出来れば次に気になるのが、2章で可能性を示すだけで終わっていた『個人ポイントとPtの関係性について』だ。

次の章では個人ポイントとチームパラメータが示す法則について考察を進めて行こうと思う。


4章.個人ポイント考察『なぜ加古さんはシューター3位なのか』

2章・3章の考察でチームパラメータの分割が完了したので、その数値を今度はPt毎、ポジション毎に集計して表にまとめてみた。


ここから考えたいのが、『Ptは本当に個人ポイントに対応しているのか?』『その場合Ptを隔てる個人ポイントの境界は何点なのか?』という2点だ。

2章で考察した内容を再度整理すると。


●4Ptの場合対応する個人ポイントは8000~10000弱
●3Ptの場合対応する個人ポイントは大体7300以上
●2Ptの場合対応する個人ポイントの幅は広く、4000?~7200くらいまで

葦原先生の立場になって考えたとき、Pt毎に境界値に設定するとすれば『キリの良い数字』『ランク戦システム的に意味のある数字』『象徴的な数字』のいずれか、又は複数を満たす数字になるような気がする。

その様に考えた場合にあり得そうな数値を取り上げると、


●笹森が発言した『1万越えのアタッカー』の10000
●マスタークラス基準の8000
●オールラウンダー基準の6000
●正隊員昇格基準の4000
●マスタークラス未満の隊員が新しいトリガーを使い始めたときの3000
●C級降格基準の1500(BBF-Q241)
●C級スタート時の1000(4巻P159)

このあたりの数字が境界になるのでは無いだろうか?

今までの分析から見るに有力な候補は、
『2Ptの下限=4000』
『4Ptの下限=8000』
『5ptの下限=10000』の3つだ。

この基準が正しいと仮定した場合、笹森が発言した1万越えのアタッカーとは5Pt以上のアタッカーを意味していた事になる。

6Pt以上のキャラは個人ポイントがほとんど明かされていないため境界値を推測するのが難しいが、ここでは仮に村上の個人ポイント12042を6Ptの基準の参考とし、
『6Ptの下限=12000』であるとしよう。


ある程度前提条件を設定することが出来たので、次にやるべきことは『その前提条件が致命的な矛盾を生むのかどうか』の検証だろう。

先程設定した個人ポイント帯とPtの関係、及び判明している個人ポイント・ランクを先ほどの表に追記したので、その中に矛盾が発生していないか確認してみる。


(攻=攻撃手ランク、銃=銃手ランク、射=射手ランク、狙=狙撃手ランク、万=万能手ランク、総=ソロ総合ランク)

その結果、設定した個人ポイント帯に合致しない隊員、明かされているランク順とPtの大小に矛盾が発生している隊員がかなり多く見受けられる。

矛盾している隊員の名前を赤字にしたが、これらの矛盾が一体何を意味しているのか?それとも仮定自体が間違っていたのか?

その原因について1つずつ検証を行っていく。

CASE①:空閑・影浦・甲田隊

空閑と影浦の二人は個人ポイントが5000前後のため、先程の対応表に従うと2ptになるべきだがそうはなってない。
甲田隊の3人もC級隊員のため全員4000ポイント未満の筈なのに2Ptが付与されている。

これはつまりチームパラメータを分解して得られたPtとは、個人ポイントをそのまま反映しているのではなく、『個人ポイント〇〇相当の隊員である』という実力の方を優先して表している数値と解釈すれば良いのだろう。

ポイントを大量没収された影浦や傭兵経験有りの空閑は、個人ポイントが実力と対応しておらず、そのせいでPt帯との矛盾が発生しているだけなのだ。

そもそも個人ポイントは訓練やランク戦により日々増減するものであり、実力に伴って徐々に適正な値に収束していく。

甲田隊の3人を始めとした将来有望なC級隊員に初期ポイントを上乗せして、素早く正隊員に引き上げる措置が行われているのも、実力(≒Pt)に見合った訓練環境に押し上げるためなのだろう。

つまるところ十分な訓練期間を経ている隊員ならば、特別な事情がない限り実力と個人ポイントは比例して然るべき物であり、空閑達が例外なだけなのだ。



ポイント①:特別な事情があり個人ポイントとその人の実力に大きな差がある場合、Ptの値は実力の方を優先して反映する。

CASE②:小南桐絵

空閑たちの例により特別な事情がある場合は個人ポイントとPtが対応してなくても良いことが分かった。

では次にアタッカー2位の風間(6Pt)より高いPtを持つアタッカー3位の小南(7Pt)の場合はどうだろうか?

小南は2年前の玉狛独立に伴って個人ランク戦から身を引いて以来、弧月(短め)の個人ポイントの変動が無かったため、太刀川風間両名の個人ポイントのインフレについて行けず3位になった。

つまりランク戦から長期間離れている場合も、個人ポイントと実力(≒Pt)がかけ離れてしまう要因になってしまうのだ。



ポイント②:長期間ランク戦から離れている隊員は個人ポイントと実力(≒Pt)が一致しなくなる。

CASE③:木崎レイジ


なぜ木崎が矛盾しているかを説明するためには、里見と木崎が取りうる個人ポイントの範囲について説明しなければならない。


まず里見が取り得る範囲について、迅は『No.1銃手里見一馬、ガンナートリガーを使う全隊員のトップだ』と発言している。(21巻P50-51)

迅はかなり強い言い回しを使っており、その言葉を素直に解釈すると、

『銃トリガー単体で見たとき、オールラウンダー含めた銃トリガー使いの中に、里見を超える個人ポイントの隊員は居ない』という事になる。

そして里見には2章で5ptを付与したため、里見が取りうる個人ポイントは最大でも12000弱となり、この個人ポイントを超える銃トリガー使いは居ないということだ。


次に木崎が取り得る個人ポイントの範囲についてだが、今回自分の考察では、


●オールラウンダーは個人ポイントが最も高い武器のポジション別ランクに入る
●木崎は中距離の対応力(中Pt)が最も高いため、銃手用トリガーの個人ポイントが最も高い

と仮定したため、木崎はガンナーランクに在籍している事になる。



ガンナーランク1位が里見であるという事実は動かせない。

つまり里見の個人ポイントを12000未満と仮定した場合、木崎の個人ポイントは凡そ11000程度である必要があり、木崎が7ptである事と矛盾が生じでいるのだ。

ただ個人ポイントの大小の矛盾に関しては、装備している武器の種類が多すぎてポイントが低くなっている場合や、木崎も小南と同様に玉狛支部独立と同時に個人ランク戦から長期間離れていたと考えれば辻褄を合わせる事が可能だ。


だが木崎の個人ポイントをあまり低く見積もってしまうと別の所で矛盾の可能性が出てくる。

『全武器の合算ランクがあった場合、太刀川より木崎の方がポイントが高くなる(BBF-Q240)』というQ&Aについて検証しなくてはならなくなるのだ。


●木崎が装備している武器の内、ガトリング砲(仮)の個人ポイントが最も高い
●木崎が装備している武器で最も高いポイントは11000程度
]

木崎は里見よりガンナーランクで下位である以上、この2つの条件を満たした上で全武器合算ポイントが太刀川以上である必要がある。

このQ&Aについて検証するべく、木崎が装備している各トリガーの個人ポイントをそれっぽく代入し、合算ポイントを集計比較したところ以下の図の様になった。

その結果太刀川のポイントは45961、木崎の合算ポイントは46000となり、銃トリガー以外のポイントを低めに見積もった事を踏まえると、かなり現実的な範囲で木崎の全武器合算ポイントが太刀川を超えていると言えるのだ。


なお『アステロイド機関砲とアステロイド突撃銃のポイントは共通じゃなくて良いのか?』という論点は残るものの、その場合でも特に問題ない。


なぜなら木崎にはここから更に弧月のポイントも合算することが出来るからだ。

どういう事か説明すると、木崎は元弧月使いである事を示す動かぬ証拠があるのだ。


ワールドトリガー1巻P11(集英社葦原大介)】

1巻冒頭のページだが、迅の肩に隠れた黒髪短髪の隊員に注目してほしい。


旧ボーダー生き残りの中でこの特徴に合致するのは支部長を除くと木崎だけだ。


それを踏まえてこのコマの左上に再度注目してほしい。

ワールドトリガー1巻P11(集英社葦原大介)】

先程確認した黒髪短髪の隊員がいるが、明らかに左手に弧月を持っている。

つまり木崎は現ボーダーが始まってからレイガストが開発されるまでのおよそ一年間、弧月を使ってランク戦に参加していた可能性が極めて高いのだ(BBF-Q155)

3年前と言えば同時期に迅が風刃を得てS級になり個人ランク戦を引退したが、1章で考察した当時の迅(スコーピオン)の個人ポイントは9200~9700程度。

よって当時トップ争いをしていただろう木崎の弧月のポイントが3年前時点で8000点くらいあっても全然おかしくない。


つまり木崎が現在装備している2種類のアステロイドが別々にポイントを合算できなかった場合でも、そのポイントを弧月で十分肩代わりできる範囲なのだ。



ポイント③:ガンナーランク1位の里見の個人ポイントが12000弱である事と、木崎がガンナーランクに居る可能性は両立できる。






CASE④:那須

他のマスタークラスの隊員にはいずれも4Ptが付与されている中、何故か那須だけが唯一5Pt付与されている。

確かに那須は他のB級マスタークラスに比べ射撃戦の制圧力が抜きんでている様に見えるが、何故那須だけ特別扱いされているのだろうか。

那須は病弱のため部隊ランク戦以外で戦う機会が少なく、実力に比べてポイントが低くなっている可能性も考えたがおそらくそれだけではない。

那須が5Ptである謎を解く手掛かりは既に本編に提示されているのだ。

ワールドトリガー19巻P159(集英社葦原大介)】

これは鈴鳴第一が新しい陣形を習得した事でチームパラメータが再評価されたシーンであり、本編で唯一チームパラメータが描写されたシーンでもある。

このチームパラメータを測定したところ、来馬の中Ptは2➡5Ptに大幅に上昇している。
つまり那須に匹敵する中距離対応力だと評価されているのだ。


この大幅な中Ptの上昇を理解するためには、まず通常の中距離手同士の撃ち合いがどのように行われているかを理解する必要がある。

ワールドトリガー13巻P109(集英社葦原大介)】

この場面はROUND4で修と犬飼が障害物を挟んで撃ち合っていたシーンだ。

このシーンでは両者ともに相手の弾を防ぐためシールドを構えながら撃ち合っている。
つまり通常の中距離手同士の撃ち合いでは片手に弾トリガー、片手に盾を構えるのが鉄則なのだ。


ではROUND7の鈴鳴第一の陣形はどうなっていただろうか?

村上は防御に専念するため陣形の前に出て来馬の盾となり、北添の射撃にはレイガストで、影浦のスコーピオンには弧月で、ヒュースの直線バイパーにはシールドを展開して両手で防御を行っていた。

そして村上が防御に専念している間に来馬はフルアタックを行っていた。


つまり鈴鳴の陣形は2人で2つの盾と2つの弾トリガーを使用しているため、通常の中距離手2人分の射撃に匹敵すると言えるのだ。

そしてその制圧力には『単独で点が取れる優秀なヘビーガンナーの北添』ですら遅れをとる。
マスタークラス(4Pt)の北添を上回る、つまり鈴鳴第一の陣形には5Pt相当の中距離対応力があると言えるのだ。


だがこのルールは、フルアタックが出来る中距離手と守りに入るアタッカーがいればどの部隊でも適用できるわけでは無い。

一歩間違えれば味方を撃ってしまいそうな難しい陣形を、【防御・援護】に優れた前衛がガードに専念した鍛錬を普段から重ねる事で初めて実現可能なルールだろう。


そしてこれらの特徴は那須隊にもそのまま当てはまるルールなのだ。


【BBF-P173】
近・中・遠のそれぞれを3者が担うバランス型。攻撃全体の要となる那須を熊谷が守りつつ戦うスタイルが基本だ。

ROUND3では川で分断され披露する機会が無かったが、ガロプラ戦やROUND8では熊谷がガードに入る事で那須は思う存分フルアタックに臨むことが出来ており、ROUND7の来馬隊の状況と非常に似ていると言える。

よって那須と来馬に個人ポイント以上の中Ptが付与されている理由は、射撃戦の瞬間火力をUPさせる特別な戦法を持っているからと言えるだろう。



ポイント④:射撃戦の瞬間火力をUPさせる戦法があれば、個人ポイント以上の中Ptとなる場合がある。



CASE⑤: 加古望

先日公式Twitterから発表されたQ&Aにより、『シューター2位は出水か加古か?』という長年にわたる論争についに決着が着き、加古さんがシューター3位であることが判明した。
BBFのキャラクターパラメーターのTOTALでも、出水が56である一方加古は54であり、出水の方が射手ランクで上位であることに特に違和感は感じない。

だが今回の考察の結果を見ると出水には6Pt、加古には7Ptが付与されているため、実力的には加古の方が上回っている様にも思える。

つまり公式のQ&Aと今回の考察で得られた加古のPtには矛盾が生じているのだ。


この矛盾を解消するためには『加古が出水より強い事を示す可能性』、『加古が出水よりも個人ポイントが低い理由』最低でもこの2つを同時に説明出来なければならない。



そしてこの矛盾を説明できる可能性は3つある。

まず一つ目の可能性は加古さんが感覚派である事だ。


【11巻カバー裏】
羽ばたく感覚派レディ 加古さん

マイウェイをマイペースでモデルウォークするほくろ射手。普通の家、普通の両親から突然変異的に生まれたセレブオーラ持ちの自由人。6歳から続けている趣味の炒飯作りが同年代に多数の犠牲者を出しており、「チョコミント炒飯」で堤が、「いくらカスタード炒飯」で太刀川が、「蜂蜜ししゃも炒飯」でもう一度堤が死んだ。堤大地は2度死ぬ。

3章の佐鳥の考察で示した通り、感覚派の隊員はキャラクターパラメーターで推し量る事が出来ない規格外の何かを持っている。

つまりTOTALの値で出水の方が高くても、それだけで出水が加古さんより強いと結論付けることは出来ないのだ。



そして2つ目の可能性とは、那須や来馬と同じく加古さんにも射撃戦の瞬間火力をUPさせる何かしらのギミックがあるため中Ptが高くなっているという可能性だ。


だが加古さんの場合その可能性を示すのは容易ではない。

加古さんはガロプラ戦で両手にハウンド(改)を装備していたが、普段はメインにスコーピオンを装備している。(質問コーナー⑭)
つまり普段の加古さんはフルアタックする事が出来ないのだ。

その上加古・黒江は共に【防御・援護】の数値が5であるため、鈴鳴第一の様な陣形を期待することも出来ない。

つまり射撃戦の瞬間火力UPにより中Ptが高く評価されている可能性を示すためには、加古さん個人でそのギミックが完結する必要があるのだ。
(なおかつギミック成功により実現する火力は、出水のフルアタックを超える要素があることが望ましい。)


片手で行う事ができる射撃戦の火力UP、そしていかにも『時間』に関係がありそうな試作トリガー『タイマー』。

これら2つの要素から導き出される加古さんの戦法とは『時間差で自動発射される置き弾との十字砲火だ』


加古さんの戦法予想は考察界隈の華だと思うが、かくいう自分も『タイマー』の仕様について妄想したことがあり、『置き弾戦法』を拡張するためのものだと予想している。

ここで一度置き弾の仕様について、ROUND8の二宮の描写等を参考に整理してみようと思う。


●弾トリガーを発射した後、弾が着弾する前に新しいキューブを出せる(22巻P113)
●置き弾を設置したまま新しいキューブを出すことが出来る(22巻P112)
●弾トリガーが発射された後なら続いて置き弾の操作が可能。(22巻P116)
●置き弾は使用者から離れてしまうと操作や発射が出来なくなる(23巻P32)

*12


これらを整理すると、弾トリガーの使用には以下の様な制約がある事が分かる。

①手元に弾を出した瞬間にトリガー操作権の枠が一つ埋まる
②置き弾として放置した弾、又は使用者から離れた距離にある弾は一時的に操作権が無くなる
③近くにある置き弾を再び操作するためには操作権を一つ消費する必要がある


そして自分の予想では②の制約の一部を『タイマー』により緩和できると考えている。

【試作トリガー:タイマーの仕様(予想)】
主に弾トリガーと組み合わせて使用する汎用オプショントリガー。

タイマーを置き弾と組み合わせて使用した場合、使用者が離れたところに居ても時間差で置き弾の操作権を行使し、自動で置き弾を発射する事ができる。
使用者のトリオン体の映像を投影する事もできる。(ファントム要素)



これを図に表すと以下の様になる。


この図の様に①~④ステップまでトリガーを使用すれば、あらゆる制約を満たした上で加古さんは”片手二重射撃”を行う事が可能になる。

そしてこのギミックが成功すれば、通常の射手が弾丸発射前のコントロールで実現できる発射角を大きく超えた『十字砲火(クロスファイア)』が可能になるはずだ。

つまり加古さん1人で2人分の射撃に匹敵する連携火力を出すことが出来るため、中Ptが上乗せされてもおかしくないと言えるだろう。



ここまで2つの可能性を示したが、これらは『加古さんは出水より強い可能性があるので合計Ptで上回っても問題ない』という説明であり、『加古さんがシューターランクで出水を下回って3位である事』の直接的な説明にはなっていない。


『なぜ加古さんのシューターランクが出水より低いのか?』、この疑問に向き合った場合にのみ生まれる新しい可能性がある。

それは『改造トリガーを使い始める時も個人ポイントがリセットされる』という可能性だ。


【BBF-Q242】
B級昇格後、新しいトリガーを使い始める場合は何点からのスタートになりますか?

基本的には3000点からのスタートになります。すでに何かの武器でマスタークラス(8000ポイント)を取っている場合は4000ポイントからになります。

このQ&Aは恐らく改造トリガーにも適用される。

なぜ恐らくなのか?というと、先程のQ&Aだけでは『同名の改造トリガーの場合もポイントがリセットされるのか?』という事をイマイチ確定させることが出来なかったからだ。

例えば加古さんがもしハウンド➡ハウンド(改)の様に装備を変更していた場合、同名トリガーのポイントを引き継ぐことが出来た可能性まで考え出すと、以前までは『シューター2位は加古と出水どちらか論争』において、加古さんが改造トリガーを装備している事を理由に個人ポイントが低い事を結論付けることが出来なかった。

『加古さんの合計Pt(≒実力)が出水を上回っている事』、『シューターランクでは出水が加古さんを上回っている事』、この2つの矛盾が発生して初めて、改造トリガー装備によるポイントのリセットを確定させることが出来る様になるのだ。



これらを踏まえると加古さんが改造トリガーを装備したタイミングを絞ることも可能になる。

ここで『加古さんがハウンド(改)を装備したのは初代東隊時代か加古隊時代か?』という疑問について考えてみようと思う。

太刀川隊の結成直後に東隊が解散したため、加古さんがA級東隊だった期間は加古さん入隊直後~出水の入隊後しばらくの期間に限られる。(質問コーナー⑳)

もしその時期に加古さんがハウンド(改)を既に装備していたとすると、ハウンド(改)で個人ポイントを稼いだ期間は、出水がアステロイドで個人ポイントを稼いだ期間より長くなってしまう可能性が高い。

その場合、加古さんのPt(≒実力)が出水より高い事を踏まえると、加古さんの順位が出水より低いのは違和感が大きくなってしまう。

よって加古さんがハウンド(改)を装備して個人ポイントがリセットされたのは比較的最近、つまり加古隊結成後A級に上がったタイミングに限られるのだ。
*13




●加古さんは感覚派のため、キャラクターパラメーター以上の規格外の強さを持っている可能性が高い事。
●試作トリガー込みで、射撃戦の瞬間火力をUPさせるギミックを持っている可能性が高い事。
●加古さんが改造トリガーを装備した時に個人ポイントがリセットされた可能性が高い事。

以上の事から、『加古さんの合計Ptが出水を上回っている事』と『加古さんがシューターランクで出水を下回っている事』は矛盾せずに両立できると今回の考察では結論付ける。
*14


そしてこの『改造トリガーも個人ポイントがリセットされる』という説は影浦をアタッカーランク上位に押し上げるためにとても都合が良い。

何故ならスコーピオン(改)を使っている木虎の場合も、剣トリガー側のポイントを低く見積もっても良いことになり、木虎をガンナーランクに振り分けても良い事になるからだ。


ポイント⑤:改造トリガーを装備した場合も個人ポイントはリセットされ3000or4000からスタートする。


CASE⑥:熊谷友子

一見すると見過ごしてしまいそうな矛盾なのだが、熊谷の個人ポイントと熊谷に付与したPtは微妙に嚙み合っていない。

2章で各隊のチームパラメータを分割した際、個人ポイントが大体7300以上の場合3Pt、7300以下で2Ptを付与するという方針があったのだが、最終的に熊谷に付与したPtは3Ptであり熊谷の個人ポイントが7119である事と矛盾しているのだ。

7119点なら本来2Ptが付与されるべきだが何故か熊谷には3Ptが付与されている。
この矛盾が意味している物は何なのだろうか?


ここでとある疑問が浮かんだ。

『何故2Ptと3Ptを隔てる境界値が7300と中途半端な数字なのだろうか?』

4章のはじめでも言及したが、境界値を設定するならキリの良い数字や意味のある数字にすべきなのだが、7300という数字がそうであるとは思えない。

そこで7300ポイントを境界値とした経緯を確認するべく、境界値の参考にした隊員をもう一度並べてみる。

熊谷にあってその他の隊員に無い物、いや逆だ。

熊谷に無くてその他の隊員にあった物、それは大規模侵攻での論功行賞の授与だ。

【BBF-Q245】
正隊員の個人ポイントは、ランク戦と論功行賞以外でしか手に入らないのでしょうか?また、チーム単位で送られた論功行賞のポイントはメンバー各自に与えられるのですか?

個人ポイントは、ランク戦と論功行賞のほか、防衛任務や、ボーダー職員が企画するイベント(1対1の1dayトーナメントなど)に参加することで得ることができます。チーム単位で送られた論功行賞のポイント・報奨金は、メンバー各自に与えられます。個人でももらった場合は、重複してもらえます。

大規模侵攻で授与された個人ポイントをまとめると下図のようになった。


*15

B級合同という括りで授与された論功行賞のポイントは各隊員にそれぞれ与えられる、つまり来馬、奥寺、小荒井、笹森、巴にもそれぞれ350ポイントがプラスされているのだ。

そしてこのボーナスポイントを各隊員から差し引いたら一体どうなるだろうか?

この表を見れば明らかだろう。2Ptと3Ptを隔てる真の境界値とは7000ポイントだったのだ。


矛盾していたのは熊谷ではない、大規模侵攻でボーナスポイントをもらって一時的に本来の実力以上の個人ポイントを有していた来馬、小荒井、奥寺、巴の4人の方が矛盾していたのだ。


この仮説は影浦をアタッカー20位に押し込むにあたりとてつもなく重要な要素となる。

2章で考察した通り、平均的なB級下位の面々が2Pt相当であることは吉里隊の例を見ても間違いない。

2章時点では2Ptの上限ラインを7300と見積もっていたため、2Ptの隊員が影浦の6780ポイントを下回っている事を証明するのは困難だったが、2Ptの上限ラインが7000まで下がった今であれば、B級下位であるという理由だけで影浦より下位だと主張する事が十分可能になるのだ。

つまりB級最終17位だった早川隊隊長のオールラウンダー早川、B級下位常連アタッカーの土崎、茂木、常盤、計良、月見の6名は、影浦より下位のアタッカーである可能性が非常に高いのだ。
よって今回の考察ではこの6名の個人ポイントが6780未満であると結論付けようと思う。

*16


話はそれだけでは終わらない。巴隊員の実質ポイントが6659という事が新しい基準を生むことになるのだ。


先日Twitter上で『B級中学生3人組の内誰が一番強そうか?』という質問を行ったところ、極端に表が割れることがなく優劣つけがたいと答えている人もかなり多いという結果になった。


帯島、樫尾、巴は中学生ながらにB級正隊員として日々戦っている将来有望な3人だ。

巴は部隊順位こそ低いものの、小学生当時に正隊員にまで上り詰める非常に見どころのある隊員だ。
帯島、樫尾の2人もキャリア1年そこそこでB級上位で渡り合う実力を持っているため、アンケートが示す通りB級中学生3人組が優劣つけがたい強さを持っている事は確かだろう。*17

3人とも優劣をつけがたい、そこまでは良い。ではこの3人と小荒井奥寺の2人と比べた場合はどうだろうか?
おそらくだが小荒井達の方が格上だという感覚を共感してもらえるのではないか?

奥寺から論功行賞の補正を差し引くと6838ポイントになる。つまり帯島、樫尾の個人ポイントが凡そ6650~6800程度であっても感覚的にはおかしくない。

よって帯島と樫尾も6780ポイントの影浦より下位の順位に押し込むことが十分可能な範囲と言えるのだ。


ポイント⑥:2Ptの場合、個人ポイントの上限値は7000ポイント。(ただし論功行賞等でオーバーする場合あり)


個人ポイントの範囲とPtに矛盾が発生していた10人を6パターンに分けて説明してきたが、最低でも矛盾していない可能性を示す事は出来た様に思う。

よって個人ポイントとPtは特別な事情が無い限り矛盾せず隊員のランクをよく表している指標なのだ、という結論で4章の考察を締めくくろうと思う。


4章まとめ

チームパラメータを分割して得られたPtと個人ポイントの関係について考察を進めた事で、2Pt相当の隊員の個人ポイントが影浦を下回る可能性が十分ある事が分かった。

その結果を踏まえ影浦のアタッカー順位は現在どのようになっているかを纏めてみようと思う。


スコーピオン(改)の個人ポイントが4000スタート確定のため、銃トリガーの方が個人ポイントが高くガンナーランクに振り分けられてそうな木虎
●2Pt相当(個人ポイント7000以下)と思われるB級下位の早川、土崎、茂木、常盤、計良、月見の6人
●実質の個人ポイントが6659である巴と個人ポイントが競っていそうな樫尾と帯島

以上の9人をアタッカーランクから除外、又は影浦より下位に位置付ける。

これまでに様々な理屈を総動員して影浦を20位に押し込むべく考察を進めてきた。


●今回の考察の大前提となったガンナーランク持ちの香取。
●黒トリガーを使っているためランク戦から除外した天羽。
●ポジションがガンナー、シューター、スナイパーであるためアタッカーランクから除外した5名。
●中Ptが最も高く、ガンナーランクに振り分けた5名。
アサルトライフルを持っており中距離戦闘に比重を置いてそうな4名。
スコーピオン(改)の個人ポイントがリセットされた木虎
●2Ptであるため個人ポイントが影浦よりも低そうな8名
●元々影浦より個人ポイントが低い空閑


ありとあらゆる考察を進めてきたが、

『チーム戦術が近距離戦闘に特化している歌川』
『元々弧月使いであり、近接戦闘に長けている三輪』(質問コーナー⑬)

この2人の万能手だけはどんな理屈をつけようともアタッカーランクから除外する事も、影浦より下位に位置付ける事もできない。
よってこの2人はアタッカーランク上位に位置付ける。


ここが今回の考察の着地点。

アタッカーランクに所属している隊員は総勢31名、うち6780ポイントを下回るのは9名。

村上の言う『カゲは20位とかそのあたりだな』が意味する順位とは、アタッカーランク22位の事だったのだ。


村上の発言を信じ考察を進めてきたが、ある程度納得のいく着地点を見つけることができた。

だがここで考察を終えてしまうのは勿体ない。影浦を20位に押し込むべく考察してきた要素の中にはワールドトリガー世界を理解するための何かがまだまだ眠っている。


ここから先は考察の延長戦。

BBF未掲載キャラを巻き込みワールドトリガーへの理解を深めるべく更に考察を進めて行こう。

5章.個人ランク戦考察 『村上VS影浦の勝率は何故40.5%:59.5%なのか』

ワールドトリガーの各章の戦闘の幕間には、主人公の訓練と新キャラ紹介を兼ねた個人ランク戦ブースでの掛け合いがあり、各章の戦闘のテンポを整える重要な役割を担っている。

戦う相手によっては楽勝で勝ち越せたり、同格以上の相手には勝ったり負けたり、時には遥か高みの格上キャラに完封されることもしばしばあるため、組み合わせごとにどんな勝敗結果になるかは終わってからでないと分からない。

だが今回ここまで考察を進めた今でははっきりと分かるのだが、この勝敗にはある法則が存在する。
この章では勝敗の勝ち星の数に込められた葦原先生の意図を追求するべく考察を進めて行きたい。

笹森がまぐれで4本取った事に込められた意味とは?


この表はこれまでの考察でPtが既に判明している隊員同士の個人ランク戦の勝率についてまとめたものだ。

一見バラバラに見える勝率だが何か法則の様な物が見えてこないだろうか?


まずは同格の組み合わせの場合を抜き出してみる。


まずは米屋と緑川の組み合わせについて、当然と言えば当然だが同格(Ptが同じ)同士の戦いの場合は勝率50%が基準となっている。厳密には勝ったり負けたりと曖昧な言い回しがされているが、勝率がかなり競っている事は間違いないだろう。

そして村上と影浦の組み合わせの場合、村上側の勝率は40.5%となっており、同格(6Pt同士)の場合は勝率が±10%の範囲で変動し得ることが分かる。

一方三雲と唯我の場合だと2人とも2Ptで同格のはずだが勝率がかなり偏っている。
2章でも考察した通り、2Pt帯はB級の中堅~正隊員上がりたての隊員までかなり広い範囲の強さを含んでいるため、同じ2Ptだったとしても実力差が生じる事を示しているのだろう。



今度はPtの差が1となっている組み合わせを抜き出してみよう。

まず笹森と緑川の組み合わせだが、笹森は「まぐれで4本」とれるようなので普段の勝率は3:7がメインなのだろう。

次に緑川と空閑の組み合わせでは、30戦して9勝21敗であり緑川の勝率が丁度30%になっている。
遊真と緑川は、まともに試合数を重ねると3:7に収束するのが本来の実力差の様だが、1回目の勝負の時は『緑川が遊真を舐めていた』ため、勝率にマイナスの補正がかかり2:8という結果になったのだと思われる。

そして遊真と村上の組み合わせを見ると、1回目と2回目は勝率が綺麗に40%になっているが、結束のデータによると厳密には38.8%となっていた事がわかった。

これらの結果を見ると差が1Ptの場合は、3:7の勝率を基準に±10%の範囲内に収まる様に調整されている。

お互いのコンディション次第で格下側が上振れを引くことがあっても、笹森や空閑の例を見る限り勝率が40%を超えることが無い様に調整されているのだろう。

なお空閑と影浦の組み合わせのみその勝率の範囲を超えてしまっているが、この2人は『空閑には影浦のSEが効かない』という他の組み合わせに無いかなり特殊な相性関係により実力差が埋まっているため、今回の考察では例外的に扱った方が良いだろう。

最後に出水と二宮との勝敗だが、公式TwitterのQ&Aによるとこの2人は1対1の場合二宮が6割ほど勝つらしい。(20220704公式TwitterQ&Aより)

この2人のPtは出水が6Pt、二宮が7Ptで、Ptに差があり実力に明確な優劣が存在すると思われる中、出水はかなり良い線を行っていると思われる。

出水VS二宮と遊真VS村上の勝率はどちらも格下側の勝率が40%まで引き上げられている。

おそらくだが明確な優劣(Pt差)が存在する組み合わせでも、格下側がかなり良い線行っている場合『勝率40%』になるのではないだろうか?

そう考えるとROUND2開始前に笹森が最近『緑川にまぐれで4:6取れた』のは、笹森と緑川には明確な実力差があるものの、笹森が3Pt勢の中では有望株である事を示唆する表現だったと思われる。



最後に2Pt差の組み合わせだ。

三雲の例を見て分かる通り2Pt以上差が開いている場合、完封されるパターンも出てきている。
菊地原(4Pt)が言う通り、実力に大きな差(2Pt以上)があるなら100回戦って100回勝つくらいの意気込みが求められるのだろう。

一方遊真と小南の勝敗結果を見ると、2Pt差がある場合でも完封されるとは限らないようだが、遊真と小南の勝敗には『4勝の壁』が存在するため、遊真の勝率が30%を超えることは今の所無い様だ。


今までの推測をまとめるとPt差毎の個人ランク戦の勝敗結果は以下の様になる。

●同じPt同士の戦いの場合、勝率は50%±10%
●Ptの差が1Ptの場合、勝率は30%±10%
●Ptの差が2Pt以上開いている場合、勝率は30%未満になり完封される事もあり得る。

改めてこの結果を振り返ってみると、村上と影浦の勝率が40.5%:59.5%になっていたのもおそらく深い意味が込められている。

この2人は1対1で勝負した場合影浦の方が勝ち越す様な力関係だが、この2人の実力はあくまで同格の範囲内(Ptが2人とも6Ptで同じ)

よって実力差(Pt差)がある場合とは逆に、同格同士の戦いでは勝率が40%を下回らない様に調整されたのだろう。

つまり村上の勝率40.5%の『0.5%』には『村上と影浦は同格の範囲内なのだ』という葦原先生のメッセージが込められていると思われるのだ。


ヒュースはどの位強いのか?

対戦相手とPt差がある場合に勝率がどれくらいの範囲に収まるか、という情報をある程度推測する事ができた。

これだけ情報が集まれば、通算7人のアタッカーと戦い勝率が判明しているヒュースについて、『一体ヒュースは何Pt相当なのか?』という議論を進めることができる。

玉狛ヒュースはBBFにチームパラメータが存在しないため今まで議論に上げる事が出来なかったが、対戦相手のPtと勝率が判明しているため、そこからヒュースが何Pt相当の強さを持っているのか逆算できるはずだ。

以上の結果からヒュースが取り得るPtの範囲を考えてみようと思う。
●空閑(5Pt)には4:6で負け越している。ヒュース≦5Pt
●巴(2Pt)と三浦(3Pt)を完封している。(ヒュース≧3Pt+2Pt)
●笹森(3Pt)からは一本取られるが結果として圧勝している(ヒュース≧3Pt+2Pt)
●辻(4Pt)にも安定して勝ち越しその勝率はおよそ70%となっている(ヒュース≒4Pt+1Pt)
●ヒュースは5Pt相当の生駒とほぼ同格である。(ヒュース≒5Pt)
●太刀川には圧倒されたものの何とか一本取った(ヒュース≦8Pt-2Pt)

これらすべての条件を満たすヒュースのPtは5Ptしかない。

つまり空閑(5Pt)と戦った時に負け惜しみの様に言い放った『現時点ではな』というヒュースの発言は、ボーダーのトリガーにまだ慣れていないため勝率に-10%の補正がかかっただけであり、空閑とヒュースは同格の範囲内という事を示す描写だったのだ。

5章まとめ

この章ではチームパラメータを分割して得られたPtと個人ランク戦の勝率について考察を行ってきた。

その結果アタッカー達との勝敗結果からヒュースが5Pt相当だという事が分かり、個人ポイント的に5Ptと仮定した生駒についてもヒュースと五分の戦いをしていた事から改めて5Ptで確定して良いだろう。

そして勝率がPtと密接に関わっているならもう一人Ptが確定できる隊員が居る。
それはスコーピオンを使い始めてから太刀川と互角の勝負が出来る様になった迅だ。(4巻P38)

以上の3名を新たにPtの表に組み込んでみようと思う。

*18

BBFにチームパラメータが未掲載だった隊員についても個人ランクの勝率を参考にすることで、新たに表に組み込むことが出来るようになった。

だけどこれだけではまだ足りない、どうせならBBFにパラメータが記載されていない隊員も全部表に組み込みたい。

ここから先はチームパラメータの傾向についてもう一歩踏み込んだ考察を行っていこうと思う。


6章.チームパラメータ予想『何故弓場隊にはエンブレムが存在しないのか?』

ここまでの考察により、以下の情報が判明している隊員にはPtを付与できる事が分かった。

●BBFに記載のチームパラメータ
●個人ポイント
●個人ランク戦の具体的な勝率

だがこれらの情報が全く描写されていない隊員も多く、このままでは本編で未活躍のキャラの考察を進めることが出来ない。
そのためこの章では隊員にPtを付与するためのアプローチをもう一つ増やそうと思う。

それはチームの総合力から部隊に所属する隊員のPtを逆算する方法だ。


この表は2章で紹介したBBF掲載のチームパラメータの合計だが、この表にBBF未掲載の部隊を加えつつ部隊順位と部隊の強さがおおよそ一致する様に少しアレンジを加えてみようと思う。

何故二宮隊と影浦隊は不動のB級2TOPなのか、何故旧二宮隊はA級4位まで上がることが出来たのか?
葦原先生はチーム単位でキャラ造詣を行っているため、部隊毎のランクには必ずそれなりの理由が存在するはずだ。(BBF-P330)
そのため、隊員毎に付与したPtのとその結果出来上がったチームパラメータの合計値を見比べ、そこに大きな違和感が無ければそれなりの精度を持った考察になるだろう。


『ランクが高いほど総合力が高い』というざっくりとした傾向の他にも、この表を見て感じた事がいくつかあるため、それらを今回の考察の指標にしたい。


まず一つ目が、似たような編成の部隊は総合力(合計Pt)が高い順にランクが高くなっているという事だ

例えば近中遠バランスよく編成されている玉狛第一、草壁隊、嵐山隊、三輪隊、影浦隊、鈴鳴第一改を見てみると、その合計Ptの大小関係がきちんと部隊ランク順になっている。
旧二宮隊や片桐隊、生駒隊や旧弓場隊なども近中遠バランスよく揃った部隊であり、この傾向に従うのでは無いだろうか?


方針①:似た編成の部隊の場合は、合計Ptが高い部隊が高ランクとなる。


そして二つ目が、草壁隊と嵐山隊の部隊ランクの差を決定づけるものは何なのか?という事だ。
この二部隊の総合力は同じであり、近距離戦は草壁隊が、中距離戦は嵐山隊が互いに勝るという絶妙な力関係になっている。

つまりこの二部隊の戦いにおいては、『どちらが先に有利な陣形を展開できるか』が勝負の分かれ目となるだろう。

そのために必要となる要素については他でもない草壁が作中で語っている。

ワールドトリガー24巻P30(集英社葦原大介)】

24巻のA級説明会で草壁は機動力の重要性について繰り返し説明しており、自分の部隊の強みを押し付けるためには、足並みを揃えて素早く陣形を組む必要がある事が分かった。

つまり『機動力が揃っている部隊』もしくは『機動力が高い部隊』の場合は、部隊の総合力が同じ部隊に対して有利を取れる可能性が高いと言えるだろう。


方針②:隊員の機動力が高い、又は揃っている場合に高ランクとなる可能性がある。



そして3つ目の方針が、『方針①②が正しいと思うな』という事だ。

そもそもA級TOPの三部隊は、部隊の総合力がA級の中でずば抜けて高い訳ではなく、尖った強みを押し付けることでA級トップの座に君臨している様に見えるため、相手部隊に対して何か一つでも有利を取れる距離があれば上位に行ける可能性は十分にあるのだ。

だが尖った強みがあれば何でもいいわけではない。それだけで勝つことが出来るなら荒船隊はもっと上位にいてもおかしくないが実際にはそうなってない。

尖った強みを持つという事は、逆に言えば自分の部隊の勝ち筋を相手に読まれやすいという事でもあり、その最たる例がROUND2の荒船隊なのだ。

部隊を上位に押し上げるためには部隊の総合力や尖った強みだけでは不十分であり、部隊戦術を通すためのマップ選択や新しいトリガーを取り入れた初見殺し、難攻不落の特殊戦術など数値で表すことが困難な要素がいくつも複雑に絡まっている。

そのため、方針①②は絶対だとは思わずあくまで参考程度に留めるべきだろう。


方針③:いざという時は方針①②を全て無視する。

予想①:旧二宮隊

【鳩原未来】
鳩原は絵馬曰く誰よりも巧い狙撃手の様だが、人が撃てないためランク戦で相手を撃破してポイントを稼ぐことは出来ない。
訓練で遊んでいる当真が奈良坂に勝ち越してスナイパーランク1位である事から、ランク戦の個人ポイント増減の比重はとても大きい事が分かるが、鳩原はランク戦で落とされる事はあっても、相手を落とすことが無いため鳩原の個人ポイントが劇的に増えることは無いだろう。
*19

よって鳩原のPtは正隊員最低保証の2Ptである事とする。

【旧二宮隊】

二宮隊の3人に鳩原を加えた部隊を旧二宮隊と呼称し、チームパラメータを纏めた結果以下の様になった。

その結果旧二宮隊は草壁隊と嵐山隊に並ぶ総合力を持つ、近中遠揃ったバランスタイプの部隊であることが分かった。

部隊の総合力でこの3部隊に差は無いはずだが、なぜ旧二宮隊がA級4位に上がる事が出来たのだろうか?
その疑問の答えについては嵐山が作中で語っている。

【19巻P154】
嵐山『そうですね エースの勝率6対4くらいなら 部隊の連携ひとつで勝ちを引けます

エース同士の勝率が4:6ぐらいなら部隊の連携次第で勝つことが出来る。
逆に言えばエースの勝率が3:7以上に開くなら、部隊の連携力(≒総合力)ではその差を覆すことが出来ないとも解釈できる。

旧二宮隊、草壁隊、嵐山隊の総合力は共に17Ptだが、部隊の最高戦力はそれぞれ二宮の7Pt、里見の5Pt、嵐山の5Ptである。

5章で考察した通り、2Pt差の戦いの場合に格下側の勝率が3割を超えることはない。
つまり部隊の総合力が同じこの3部隊が戦う場合、7Ptのエース有する旧二宮隊が一人勝ちする事になるのだ。

よって旧二宮隊が草壁隊・嵐山隊を抑えてA級4位だった事は自然な事だったと言えるだろう。

予想②:片桐隊

【一条雪丸
雪丸は烏丸の発言により1万越えアタッカーの可能性が高く、4章で設定した基準に則ると5Pt以上を付与するのが妥当だろう。
だが24巻のA級説明会では、データ重視の結束が『玉狛の前衛は たぶんあんたたちより強いよ』と言い切っている。
空閑とヒュースには5Ptを付与しているため、雪丸のPtは5Pt以下の必要がある。

よって雪丸は5Ptだという結論になった。

(同様に片桐と桃園も5Pt以下にする必要があるだろう。)

【片桐隆明】

片桐はガンナーの中で里見と弓場についでTOP3に入る実力者であることが公式TwitterのQ&Aにより判明した。

ただし今回の考察ではオールラウンダーもガンナーランクに含まれる事にしているため、公式のQ&Aの解釈については、
片桐は『ガンナーランク3位』では無く、『純ガンナーの中で上から3番目』として扱う事とする。

里見が5Ptである事を踏まえると片桐が取り得る値は4Ptか5Ptになりそうだが、A級7位隊長の三輪が4Ptである事から片桐も4Ptである事にした方が違和感が少ないだろう。

また、4Ptのオールラウンダー及び荒船は、時枝を除いてPtの分割の比率が1:1となっているため、片桐の合計Ptも中と遠に2Ptずつ付与する事にする。


【桃園藤一郎】
A級隊員は未熟枠の唯我と戦術タイプの古寺を除いて全員4Pt以上で統一されているため、桃園も4Ptだと考えて良いだろう。


【尼倉亜澄】
尼倉のPtについて考える前にトラッパーのPtについてもう少し掘り下げて考えたい。

2章のチームパラメータ考察で冬島と喜多川には『中』と『遠』にそれぞれ2Ptずつ付与したが、その理由については特に触れてこなかった。

そして冬島さんのキャラクターパラメーターをよく見てみると、【攻撃】と【射程】にそれぞれ4が付与されている。
つまりスイッチボックスが持つ攻撃性能は、あの吉里隊オールラウンダー北添秀高に匹敵すると言えるのだ。

つまりトラッパーに付与される中Ptとは、自らが中距離戦に参加可能な攻撃力を持っているからこそ付与されるPtだと考えられる。
ではトラッパーに遠Ptが付与される理由とは何なのだろうか?
冬島の【射程】4を見る限りトラッパーは遠距離攻撃手段を持っていないはずだ。

トラッパーに遠Ptが付与される理由については加古隊の部隊戦術をおさらいしたい。

【BBF-P71】
狙撃手がいない分、遠距離は不得手な印象。しかし特殊工作兵・喜多川の存在により、その弱点を補い、A級ランクに君臨している。

この説明を見る限り、狙撃手のいない加古隊の遠距離戦闘を支えているのは喜多川であり、加古隊に付与された遠Ptもトラッパーによるものだと考えて間違いない。

つまり遠距離戦闘を支援する行為そのものに遠Ptが付与されるという事なのだろう。


ここでスポッターの尼倉に話を戻す。

現実世界における観測手とは狙撃手とペアで行動し、狙撃手が狙撃にのみ集中できるようにあらゆるサポートを行う役割だ。

例えば標的までの距離や風向き、天候・温湿度等のあらゆる情報を狙撃手の代わりに計測し、時には周囲の警戒や見張りを行うのも観測手の仕事だ。

つまり観測手とは遠距離戦闘を支援する事に特化した役割であり、遠Ptが付与されるべきポジションと言えるのだ。

だが尼倉のトリガー構成を見る限り自ら攻撃する手段を持っていない様に見えるため、尼倉自身にあまり大きなPtを付与するのは違和感がある。

そのため尼倉には正隊員最低ラインの2Ptを『遠』に付与するのが妥当だろう。


【片桐隊】

片桐隊のチームパラメータを予想した結果その総合力は15Ptとなり、似た編成の三輪隊(16Pt)に一歩劣る総合力であるため三輪隊より下位である事も納得だろう。

そして片桐隊のチームパラメータを纏めた事で、ある疑問に納得がいくようになった。

それは『なぜ比較的総合力が低い影浦隊がA級6位まで上り詰める事が出来たのか?』という事だ。
旧二宮隊、影浦隊を含め当時のA級ランク戦に参加していたと思われる全10部隊の総合力を纏めてみると分かったのだが、A級ランク戦の環境はB級と比べてかなり隠密戦術に偏っているのだ。

A級10部隊中3部隊が『遠』のパラメータが最も高く狙撃に偏重したチームだと言えるが、影浦の前ではチームの最も強い部分を活かすことができない。
風間隊のステルス戦術も『知覚情報の8割を視覚に頼る部隊』に有利を取れたとしても、影浦のSEの前ではその真価が発揮される事はない。

つまり影浦隊はこの4部隊相手に勝ち越すことが出来る可能性が高いのだ。

隠密した敵の位置を影浦のSEであたりを付け、北添の適当メテオラで隠れ場所からあぶり出し、絵馬の狙撃で始末する。10部隊で戦ってその内4部隊に勝ち越せるなら影浦隊がA級6位だったのは納得の順位だろう。

予想③:新生玉狛第二

【ヒュース】

ヒュースには5章の考察で5Ptを付与したが、そのPtを近中に振り分けるべきかを考えたい。

2章の考察では『アステロイド以外の弾トリガー装備の場合はその威力が低いため中Ptを低く評価、又は付与しない』という方針を示していたが、トリオン強者のヒュースに限っては例外的に扱った方が良さそうに思える。

ヒュースの直線バイパーは来馬先輩の両手アステロイドといい勝負が出来る程度の威力があるため、ヒュースのみ例外的に中Ptを付与しようと思う。(20巻P46)

新生玉狛第2の総合力は14Ptになり、二宮隊の15Ptと影浦隊の14Ptの間に綺麗に収まる総合力であることが分かった。
そのため新生玉狛第2はB級最終2位になるべくしてなった部隊だと言えそうだ。

予想④:生駒隊


【生駒達人】
4章、5章でも考察した通り、生駒の個人ポイントは11177であり5Ptが付与される事はほぼ間違いない。
次に考えたいのがその5Ptを中Ptに分割するべきか否かという事だ。

生駒が使う射程40mの旋空弧月は、射程22mの弓場に対抗するために編み出された技であり、弓場の【射程】が2.5である事を踏まえると、生駒の【射程】は3以上あっても全然おかしくない。(22巻P87)

つまり生駒の攻撃は中距離戦でも十分運用できるため、中Ptが付与される余地があると言えるのだ。


だが近Ptと中Ptの付与が『武器の射程距離』に依存する事にしてしまうと、今度は巴に付与されているPtに矛盾が生じてしまう。

巴の【射程】はガンナーでは珍しく2であり、これは旋空を装備しているアタッカーの【射程】と同等の数値だ。

もし『武器の射程距離』により『近』と『中』のPtの分割が決まる事にしてしまうと、巴のハンドガンはアタッカー程度の射程しかないため、巴には近Ptしか付与されない事になってしまうが、実際には中Ptと近Ptに分割されているのだ。

この事よりPtの分割先は『武器の射程距離』そのものではなく、攻撃手用トリガーを装備しているなら近Pt、銃手用トリガーを装備しているなら中Ptが付与されるという『武器の種類』より決定されると考えた方が自然になるのだ。

よって生駒の射程が中距離手に匹敵していたとしても、付与されるPtは弧月に対する近Ptのみであると今回の考察では結論付ける。
*20


【水上敏志】
シューターとして得点を挙げるためには【トリオン】が必須と思われるが、水上の【トリオン】は5であり、お世辞にも高い数値だとは言えない。(第220話 ジャンプSQ2022年4月号)
水上は場を整えるタイプの射手であるため、付与するならマスタークラス未満の3Ptが妥当だろう。

隠岐孝二】
3章の考察より隠岐の捕捉&掩蔽訓練での順位は6位であり、穂刈(3Pt)や半崎(3Pt)よりも低いため、隠岐も3Ptだと考えるのが自然だろう。

【南沢海】
南沢のPt付与は今回の考察でとても大きな意味を持つ。

【18巻カバー裏】
キューピー3分ベイルアウト カイ

遊真の動画を2万回見たのに違うやつに速攻落とされたてへぺろ攻撃手。こう見えて一時は8000点にも上がったことがある腕利きで、B級16歳の中では結構有望株。ノリで動く癖さえなくなればチーム戦でも伸びる可能性は高い。趣味はカラオケで歌はかなりうまく、文化祭シーズンは軽音部から引っ張りだこになった。チーム唯一の三門出身。

このカバー裏おまけの紹介を見る限り、一時調子がいい時期に上振れを引いて8000点を超えたものの、南沢の本来の実力は8000点未満、つまり3Ptだと考えて良いだろう。

そしてマスタークラスにギリ及んでいない南沢が有望株という事は、B級16歳の中にマスタークラスを超えている隊員は数えるほどしかいないという事になる。

『有望株』というニュアンス的に、南沢以上の個人ポイントを持つB級16歳の隊員は最低1人、多くて2人と言ったところだろう。

B級で16歳だと確定している隊員は外岡、別役、小荒井、奥寺、香取、笹森、半崎、照屋、漆間の9人。
つまりこの中に南沢以上(≒マスタークラス=4Pt)は多くて2人であり、その枠の1つは既に香取で埋まっている事になるのだ。

よって今後B級16歳組に新たにPtを付与する場合、マスタークラスである可能性を考慮しなくてはならない。

【生駒隊】
生駒隊のメンバーにPtを付与した結果以下の様なチームパラメータになった

生駒隊の総合力を見ると14Ptであり、影浦隊の14Ptと並ぶチームの総合力であることが分かった。

同じくらいのチーム総合力なら順位入れ替えがたまに発生しても良さそうだが、実際は影浦隊が不動のB級トップ2の座に君臨し続けている。

『4人部隊の生駒隊が何故影浦隊に勝ち越せないのか?』という疑問についても、おそらく旧二宮隊がA級4位まで上り詰めた理由と同じだろう。


エース単体の戦力で比べると生駒(5Pt)よりも影浦(6Pt)の方が高く、エース同士が衝突した場合その勝率は恐らく3:7になる。

つまり生駒隊は影浦隊と同じ総合力を持つものの、エースの実力差により勝ち越す事が出来ない力関係を持った部隊だと言えるのだ。


そしてここまで分析した事で、南沢のキャラ紹介の文章が大きな意味を持っていたことに気が付く。

南沢は『ノリで動く癖さえなくなればチーム戦でも伸びる可能性は高い』と言われているので、考えて動くことさえ出来る様になれば、マスタークラスの戦力(4Pt)になり得るという事だ。

もし南沢が4Ptになれば生駒隊の総合力は15Ptとなり、影浦隊の14Ptを上回るチーム総合力になるため勝ちの目が見えてくる。

生駒隊が今後チーム戦で伸びるかどうかは南沢の成長にかかっているのだ。


予想⑤:王子隊

【王子一彰】

B級上位グループの隊員の強さを議論するにあたり、小南が発言した『どの隊にもA級レベルのエースがいるわ』という条件は重要になる。(10巻P154)
*21

小南の言葉を素直に解釈するとB級上位経験がある部隊にはどこにも最低一人はマスタークラス(4Pt)以上のエースが居ることになるのだ。

王子隊のエースは王子だが、王子は1万越えのアタッカーではないため4Ptのマスタークラスの強さに収まるだろう。

また2章で考察した通り王子が装備している弾トリガーはハウンドであるため中Ptは付与しない。

【樫尾由多嘉】
樫尾はおそらく巴~奥寺位の強さの範囲に収まると思われるため4章では2Ptを付与したが、カバー裏のキャラ紹介について掘り下げたい。

こいつも生徒会長 カシオ
進学校(中学)で生徒会長を務めるナチュラルな真ん中分け(新3バカの先輩)。親に対しても敬語という特殊な家庭環境で育ったせいか、年上に対してのしゃべりがカタい。ボーダー入隊までは挫折を知らない才能系男子だったが、同い年の木虎にこてんぱんにされて上には上がいることを知った。そこから恋に発展?どうでしょうねえ~

木虎(4Pt)にこてんぱんにされたので個人ランク戦での勝率は恐らく30%を大きく下回っていると思われる。
5章で考察した通り、勝敗が大きく偏る場合は2Pt以上差が開いているはずだ。

よって樫尾には2Ptを付与しようと思う。

そして王子と同じ理由で中Ptは付与しない。


【蔵内和紀】

蔵内がマスタークラスかそれ未満か?という疑問については、いくら考えても結論を出すことが出来なかった。
那須より個人ポイントは低そうだが、かと言ってマスタークラス未満である確証も無い。

そこである画期的な方法を思いついた。

個人的な感想で言えば、葦原先生はキャラの強さについてかなり丁寧に描写を重ねているため、読者が想像する蔵内の強さと作中の設定上の強さが大きく乖離する事は無いだろう。

つまり多くの読者が思う蔵内の強さが、そのまま蔵内の強さの指標として使える可能性は十分あるのだ。

そこでTwitter上で蔵内がマスタークラスかどうか読者がどう思っているのかアンケートを取ってみる事にした。

その結果が以下のツイートだ。

蔵内がマスタークラス未満である事に自分も異論はない。

よって蔵内は3Ptであると今回の考察では結論付ける。



【王子隊】

以上の結果をもとに王子隊のチームパラメータを予想してみた。

その結果王子隊の総合力は9とやや控えめな数字になってしまったが、B級上位に2期連続残留した香取隊の総合力も9であるため、B級上位で十分通じるチーム総合力だと言えるだろう。
また、王子隊と香取隊は似た編成になっているが、王子隊の方が常にランクが上である。
やはり部隊全体の機動力が高い事は自隊の強みを押し付けるために重要な要素であるのだろう。

予想⑥:弓場隊・旧弓場隊・初代弓場隊

【弓場琢磨】

ガンナーTOP1の里見は5Pt、ガンナーTOP3の片桐は4Ptであると考察したが、ガンナーTOP2の弓場のPtはどうするべきか考える。

弓場のPtを考える際、ガンナーランク1位の里見の発言が恐らくヒントになるだろう。


迅曰く里見は自分がガンナーランク1位である事を知らないらしいが、これには非常に違和感がある。

里見はランクに興味が無いわけではなく、二宮や弓場が高ランクである事を意気揚々と語っていたため、むしろ個人ランク戦の順位には興味津々であるはずなのだ。

『里見が個人ランクに興味津々な事』、『里見は自分がガンナーランク1位だと知らない事』。

この二つを矛盾なく解釈できるとしたら、里見が自分のランクを大したことない順位だと思っている必要がある。

つまり、
『里見が興味深々なのはソロ総合ランクの方であり、里見自身はソロ総合ランクだと大した順位じゃない』
かつ
『里見がスカウト旅行に行っている間に、勝手に里見の順位が繰り上がって1位になった』

という二つを状況を満たす場合なら里見が自分の順位を知らなくても違和感は少なくなるだろう。


まず、『里見の順位がソロ総合ランクの中では大した順位じゃない』という話だが、そもそも『大した順位』とはどのくらいの順位の事を言うのだろうか?

作中で個人ランクの順位が『すごい順位』というニュアンスで紹介された例で最も低い順位は、風間隊の回想で出てきた『個人総合9位 風間蒼也(19)』だ。(7巻P70)

つまり作中ですごい順位として認識されるためには、最低でもTOP10入りしている必要があると予想できる。

ここで4章・5章でまとめた個人ポイントとPtの対応表を振り返ってみる。

ガンナーランク1位の里見が5Ptである事を踏まえると、ソロ総合ランクで里見より上位には6Pt以上の太刀川、風間、小南、村上、二宮、加古、出水、当真、奈良坂、東の最低でも10人が存在するはずだ。*22

つまり里見のソロ総合ランクはどれだけ高く見積もっても11位以下になる。

よって『里見自身はソロ総合ランクだと大した順位じゃない』ため、里見が自分のランクを気にしていないという話は十分あり得る事なのだ。


次に『里見がスカウト旅行に行っている間に、勝手に里見の順位が繰り上がって1位になった』という話だが、スカウト組が帰還する直前のROUND5以降、弓場隊はB級中位に部隊ランクが落ちている。

その前から弓場隊の順位はじわじわと下降していたため、部隊負け越しに伴い個人ポイントが落ちてガンナーランク1位から転落した事は十分あり得るだろう。

だが5・6試合程度の弓場隊の不調に伴いガンナーランクの順位入れ替わりが発生するためには、元々弓場と里見の個人ポイントは相当僅差だった必要がある。

よって今回の考察では弓場は里見と同じく5Ptであると結論付けようと思う。

なお弓場は銃で戦うアタッカーと評されているが、生駒と同じ理由でPtは全て中Ptに割り振られるものとする。


【帯島ユカリ】
4章で考察した通り、帯島の強さは巴~奥寺の範囲であると思われるため2Ptを付与し、オールラウンダーである事から近中に1Ptずつ分割するのが妥当だろう。

【外岡一斗】
先程南沢の考察でも触れたが、外岡はマスタークラス(4Pt)の可能性がある。
捕捉&掩蔽訓練では奈良坂・佐鳥に次ぐ3位と非常に高い順位だったため十分あり得る話だ。

だが外岡が4Ptだと考えた場合、23巻のドラフト指名のあるシーンで違和感が生じてしまう。

ワールドトリガー23巻P179(集英社葦原大介)】

北添は1巡目時点では部隊コンセプトが特になかったので、強い隊員が残っていれば即決で選択する事が出来たはずだ。
この時残っていた隊員は外岡と半崎(3Pt)であり、もし外岡が4Pt相当だった場合『うーん』と言いながら迷っているのは違和感がある。
つまり外岡と半崎の間には明確な実力差が無いので北添は迷ったと考えるほかないのだ。

よって外岡は3Ptとするのが妥当だろう。


【神田忠臣】

弓場隊には12月まで神田が在籍していたため、B級ランク戦開始順位である4位は『旧弓場隊』に依るものだとし、神田の戦力込みのチームパラメータで考えようと思う。
先程王子隊の考察で蔵内に3Pt付与したので神田にも同様に3Ptを付与する。

そして里見のジェスチャーを見る限り神田がアサルトライフル使いだったことはほぼ確実のため、2章で考察した通り神田は中距離手寄りのオールラウンダーであるとする。
よって中Ptに比重を置いて、『中』に2Pt、『近』に1Ptの割合で分割を行う。

ワールドトリガー21巻P38(集英社葦原大介)】

【弓場隊・旧弓場隊・初代弓場隊】
歴代弓場隊のメンバーのPtを全員分付与する事ができたため、チームパラメータを3部隊分作成してみた。

この結果、弓場隊の総合力は10Pt、旧弓場隊の総合力は13Pt、初代弓場隊の総合力は15Ptになった。

B級ランク戦を終え弓場隊はB級中位に落ちてしまったものの、部隊の総合力を考えると仕方がない結果だと思える。
また旧弓場隊の総合力は13Ptであり、生駒隊の14Ptにわずかに届いておらずシーズン開始順位がB級4位だったのも納得だ。

最後に初代弓場隊の総合力だが、A級8位片桐隊に並ぶ15PtとB級の中ではかなり高いチーム総合力になった。
このチーム総合力ならA級に上がってもおかしくないが、かと言って余裕でA級に上がれる訳でもなく、かなり絶妙なチーム総合力だと言えるだろう。

とは言うものの二宮隊がB級に降格する前ならB級1位であってもおかしくない総合力だ。

ここから先は想像になるが、初代弓場隊は完成されたチーム総合力でB級ランク戦を駆け上がった末、遂にB級1位になりA級挑戦権に王手をかけたものの、A級に上がってからだと独立してチームを作る事が難しくなると考えた王子が、蔵内を引き抜き独立を宣言したせいで結局弓場隊はA級に上がれなかった、という物語があったのかもしれない。

いずれにせよ初代弓場隊にエンブレムが無い(≒A級に上がった経験がない)としても違和感がないチーム総合力だと言えるだろう。

予想⑦:漆間隊

【漆間恒】

南沢の考察の時に言っていた『B級16歳の中で南沢を超える個人ポイントを持つ隊員』はやはり漆間だろう。
よって漆間にはマスタークラス相当の4Ptを付与する。

【漆間隊】

漆間隊はB級ランク戦開始時はB級9位だったが、総合力を見ると4Ptとかなり低くB級下位に落ちてしまったのも当然と言えるだろう。
B級ランク戦8試合の中でも勝利が確定しているのはROUND8くらいであり、その他の試合は中位でも下位でもほぼ負け続けている。
ROUND1➡9位から11位に落ちているため敗北
ROUND2➡鈴鳴第一に敗北
ROUND3➡荒船隊に敗北
ROUND4➡14位になっているので恐らく敗北している
ROUND5➡15位以下に落ちているため敗北
ROUND6・7➡不明
ROUND8➡勝利して14位に浮上



予想⑧:B級下位

2章の考察で平均的なB級下位は全員2Ptだとしたが、B級下位でも比較的上位に居たことがある海老名隊、早川隊、松代隊の隊長には3Ptを付与したほうが良いかもしれない。

感覚論になってしまうが、B級中位~下位にかけての部隊のロールモデルは隊長が3Pt、他の隊員は2Ptという構成に見えるからだ。

そして柿崎隊や諏訪隊の様に、隊長(3Pt)以外にも有望株(3Pt)が居る場合に安定してB級中位に留まる事が出来ている様に感じる。

よって海老名貴大、早川悟、松代仁には3Ptを付与しようと思う。


だが4章の考察で早川はアタッカーランクにいる事にしてしまったため、早川に3Ptを付与すると個人ポイント7000以上、つまり影浦より上位になってしまうため出来れば避けたい。

そのため4章での結論を撤回し、消去法で早川は3Pt相当の射手寄りのオールラウンダーである事に変更する。

早川はメインに弧月を装備しているため射手寄りだと考えるのはやや違和感が残るものの、射手寄りのオールラウンダーは今の所一人も居ないため一人くらい居ても良いだろう。

影浦の順位を守るためかなり恣意的に結論を歪めてしまったが、この考えを元にB級下位のチームパラメータを予想してみようと思う。


B級下位のチームパラメータを整理できたため、次に部隊の総合力と部隊のランクが対応しているか検証してみようと思う。


だが、部隊ランクの参考として『ランク戦開始時(10巻P127)』と『BBF掲載時点』の順位を使うのは不適切な可能性がある。

『ランク戦開始時の順位』はあくまで前シーズンの結果であり、弓場隊の様に隊員の増減があった可能性が否めず、また『BBF掲載時点の順位』についてもROUND1で吉里隊と間宮隊が完封された影響がまだ残っているため、部隊の総合力とうまく対応していない可能性が高いからだ。

一方ランク戦終了時点の順位であれば、間宮隊と吉里隊もマップ選択権を得る等で有利な試合運びが出来た試合もあったと思われるので、部隊の順位が実力相応な位置に収束している可能性が比較的高い。

よってB級ランク戦終了時点の順位を元にB級下位のチーム総合力について検討しようと思う。


ランク戦終了時点の順位については23巻P59、又は遠征選抜試験裏で行われている防衛任務のシフト表から割り出す。
(防衛任務のシフト表からランク戦順位を割り出す過程については以下のツイートを参照いただきたい)

B級15位以下は海老名隊、常盤隊、早川隊まで確定しており、残りの4部隊についても防衛任務のシフト表から『吉里隊>茶野隊』『吉里隊>羽鳥隊』『間宮隊>茶野隊』である可能性が極めて高い。

これらの結果を元にB級下位の順位とチームの総合力について予想し以下の表に纏めてみた。

このB級下位の順位がどんな意味を持つのか一つずつ考えてみる。


海老名隊(7Pt)と常盤隊(8Pt)はチームの総合力だと、常盤隊(8Pt)の方が高いが、主力のPtだと海老名(3Pt)の方が常盤(2Pt)より高い。
チームの総合力が1Pt差程度なら主力の強さ次第で勝ち越すことが出来ることを表しているのではないか?

おそらく太刀川隊(16Pt)が草壁隊(17Pt)や嵐山隊(17Pt)を抑えてA級1位に君臨しているのも、1Pt差程度なら太刀川(8Pt)が『圧倒的戦力でカバー』出来るからだろう。(BBF-P37)


次に常盤隊(8Pt)と早川隊(6Pt)だが、主力の強さだと早川(3Pt)の方が高いが早川隊が下位に位置している。
これはつまりチームの総合力の差が2Pt以上開くと、主力が強かったとしても数の力で押されてしまう事を表しているのではないか?

主力の強さで勝る太刀川隊(16Pt)が、玉狛第一(18Pt)より弱い扱いを受けているのも恐らく同じ理由だろう(BBF-Q267)


早川隊(6Pt)と吉里隊(6Pt)は両部隊の総合力に差は無いが、主力の強さは早川(3Pt)の方が吉里(2Pt)よりも高いので、主力の強さで勝ち越していると思われる。


吉里隊(6Pt)、間宮隊(5Pt)、茶野隊(4Pt)については順当にチーム総合力の差が順位に反映されていると思われる。


茶野隊(4Pt)と羽鳥隊(4Pt)についてだが、羽鳥隊は松代が抜けた後の連携がまだ未熟であり順位を落としたか、単純に新設チームのため最下位からスタートしたかのどちらかだと考えられる。



ここまでで全部隊のチームパラメータ予想が完了したので改めて部隊の総合力について纏めてみようと思う。

このランクはBBF掲載時点の部隊ランクを元に作成されているので、今度はB級ランク戦終了後の順位をB級部隊のみを抜き出して再度整理してみる。

その結果おおむね部隊の総合力と一致する様に順位が並んでいる様にも見える。



終戦で香取隊が敗北し上位残留を逃してしまった後、『これが今の香取隊(うち)の実力ってこと』『自分たちのいる位置を自覚しないと』という会話があったが、この表を見た後だと二人が言いたかった事が腑に落ちる様な気がする。

言葉の通り香取隊は実力通りの順位に落ちてしまったが、自分たちの現状を理解した事できっと再スタートする事が出来るだろう。



今回は戦闘員の合計Ptだけで部隊順位とチームの総合力について語ってきたが、実際にはここにオペレーターの強さも上乗せされるべきだろう。

例えば部隊の総合力に比べて王子隊はかなり順位が高いが、もしかすると橘高の与える影響力が大きいのかもしれない。
B級TOPクラスのオペである宇佐美、人見と共に、遠征選抜試験編で裏方として引き抜かれた事は果たして偶然だったのだろうか?

6章まとめ

6章の考察によりBBF未掲載のキャラを含めた98人のPtの付与が完了したため、改めてPtの対応表を整理しようと思う。

赤字はBBFにチームパラメータの記載が無いキャラだ。

これまでの様々な角度から考察を進めてきたが、一部の例外を除いてPtと個人ポイントが対応している事はほぼ確実だと言って良いだろう。


だったらやる事は一つしかない、ソロ総合ランク考察だ。



『主人公と戦ったあの強敵はソロ総合ランクだと何位なのか?』『かつて個人戦ブースで競い合ったライバルはポジション別ランクだと何位なのか?』

ワートリ読者ならだれでも一度は考えたことがある疑問について、本編・BBFに登場する戦闘員98名+αのランク付けを行っていこうと思う。



ソロ総合ランク考察『影浦は本当にアタッカー20位なのか?』


この章では100名近くいるワールドトリガーの全戦闘員のランクについて考察していく。


まずはランク付けする際の基本的なルールについてだ。

【ランク付けの基本ルール】
●個人ポイントを参照する日付は『村上の影浦20位発言』が行われた2月10日時点とする。作中で複数回個人ポイントが開示されたキャラは2月10日に近い方のポイントを参照する。


●以下の隊員はランク付けから除外して考える。
・2月10日時点で除隊済みの神田と鳩原
・本部職員に移った寺島と沢村
・野良B級とC級隊員
・S級の天羽




次にランク付けを行っていく際の方針について検討してみようと思う。

これまでの考察により、Ptを付与した隊員のおおよその個人ポイント帯は推測できるようになったものの、同じPt同士の隊員のランクの大小関係は不明瞭な部分が多い。

よって順位付けを行う際の方針を予め立ててから考察を進めた方が良いだろう。



方針①:作中で個人ポイントやランク順が明かされている場合はそれに従う。


当然だが作中で開示されている設定と矛盾しない様に順位付けを行っていく。

ただし1章で考察した通り、生駒がNo.6アタッカーになったのは2月20日以降であるとしているため、生駒の順位のみ例外的に本編とは異なりアタッカー5位として扱う事になる。


②特別な事情によりPtと個人ポイントが対応していないキャラは、①と矛盾が生じない範囲でなるべく高順位に置く

例えば小南は実力的には7Ptだが、ランクだと6Ptの風間さんを下回っている。
判明しているランクに矛盾が生じない範囲での小南のソロ総合最高順位は、ソロ総合ランク4位の当真の次の5位である。

その様な場合は小南を5位に配置する、といった方針で順位を決めて行こうと思う。


③論功行賞で個人ポイントが増えたキャラはやや高めの順位に置く

言っている事は単純だがこの③の方針はかなりややこしい。なぜなら論功行賞で得たポイントをそのまま加算して良いキャラとそうでないキャラが混在しているからだ


例えば米屋は5巻P40時点で個人ポイントが9443のため、1級戦功+800点を得た時点で10200程度あったはずだが、11巻P93時点ではいつの間にか9825まで減少している。

のちに『10000ポイント越え』は象徴的な強さ(5Pt相当)の指標であった事が明かされたため、今にして思えば米屋(4Pt)がその個人ポイントの壁を突破しない様に意図的に調整されたように見える。

一方2Ptと3Ptの境界値である7000ポイントの壁は、論功行賞によるポイント増加で容易く突破されているので、その『ポイント調整』が全キャラに対して行われている訳ではないのだ。


この差が何なのか考えてみたが、おそらく作中のパワーバランスを守るためでは無いだろうか?


例えば作中でキャラの強さを示す象徴的な数値として、『マスタークラスの8000』、『笹森が発言した10000越え』等が使用されている。

これらの数字は作中でキャラの強さを表す明確な指標として使用されているため、短期間のポイント増減で気軽に突破してはならない印象がある。

一方7000という境界値は強さの指標として扱われたことが無いので、その境界値を気軽に突破しても作中のパワーバランスに与える影響は少ないだろう。

よって今回の考察では、『論功行賞によるポイント増加で、象徴的な境界値を突破する事は出来ない』という方針を立てよう思う。

具体的に言うと『3Pt(4Pt)のキャラが論功行賞を得ても、8000(10000)ポイントを超えていない事にする』という事だ。

つまり今回の考察では、特急戦功で1500点得た三輪(4Pt)であっても個人ポイント10000未満として扱う事になる。


方針④:ポジション武器の反対側に武器を装備している場合は個人ポイントをやや低めに見積もる


装備している武器の種類が多いほど様々な状況に対応できるため戦闘では基本有利に働くが、ソロ総合ランクにおいては個人ポイントが分散してしまうというデメリットも存在する。

【BBF-Q243】
メイン・サブ両方で攻撃用トリガーを使う場合、ランク戦での個人ポイントはどう振り分けられるんですか?
とどめを刺した(より大きいダメージを与えた)方のトリガーが7割、反対側のトリガーが3割です。

このQ&Aについてまず考えたいのが『反対側』のさす範囲がどこまでなのかという事だ。
*23

素直に解釈すると『メイン1段目の武器』で取ったポイントは『サブ1段目の武器』に割り振られるのだと思われる。


そしてその様に仮定した場合、『何故王子はオールラウンダーで無くアタッカーなのか?』と言う疑問について新たな視点が加わる事になる。


剣トリガーと銃手用トリガーを両立している隊員(万能手を除く)について、今度はトリガーセットの順番に注目してみよう。

ポジションと対応した武器の内、「ポイントが最も高いトリガー」又は「威力が十分高いトリガー」を『ポジション武器』と呼ぶことにする。

これらの隊員のトリガーセットの順番には明確な共通点がある。

『オールラウンダーを目指している加古さん』を除いて、ポジション武器の逆側同じ段に『射程の異なる武器』がセットされていないのだ。

巴を例に挙げて説明すると、ガンナーである巴はアステロイドによる得点機会が最も多いと思われるが、その反対側には武器がセットされていない。

つまりポジション武器で獲得したポイントが弧月に分散しないため、弧月にポイントが溜まりづらい状況が生まれているのだ。

王子も樫尾も熊谷もわざわざ弧月と段をずらして弾トリガーをセットしている。

一方オールラウンダーのトリガーセットを見てみるとほぼ全ての隊員が近中武器を同じ段にそろえている。
例外と言えば両手に剣トリガーを装備している香取・歌川・木崎と、片手に武器を集めている烏丸くらいだ。*24


ソロ総合ランクの順位は装備している武器の中で最もポイントが高い武器を基準にランク付けされるため、個人ポイントの分散を嫌う場合は武器の段をずらして装備するのがセオリーなのかもしれない。
*25


よってポジション武器の逆側同じ段に別の武器を装備している場合は、同格っぽい別の隊員よりも個人ポイントを相対的に低く見積もる事にしようと思う。


方針⑤:ポジション毎の適正が高い隊員を高順位に置く

千佳が入隊を決めたときに行われた宇佐美のポジション適性診断を元に、ポジション毎に求められる要素について考えて行こうと思う。(3巻P115~)


攻撃手適正
・運動神経の良さ
・足の速さ

中距離手適正
・数学の成績(処理能力?)
ボードゲームの経験

万能手適正
・チームスポーツの経験(運動神経と処理能力の複合?)

狙撃手適正
・持久力
・根気
・集中力
・柔軟性

これらの要素の内、運動神経の良さや処理能力の高さについてはBBFのグラフからある程度定量化する事が可能だ。


まずは『生身の運動能力』のグラフから、ポジション毎に必要な要素について分析しようと思う。


ボーダー入隊試験には基礎体力テストが導入されている事や、木崎が生身のトレーニングを推奨している事からも、生身の運動能力の高さが隊員の素質に関わる事は間違いない。

このグラフの大まかな傾向を見ると


●攻撃手は瞬発力が特に重要
●射手・銃手は体力が高いに越したことは無い
●狙撃手は持久力が重要

という事が読み取れる。


次に隊員の処理能力や学習能力の高さについて分析しようと思う。

このグラフの大まかな傾向を見ると


●攻撃手にとって成績の良さはあまり重要ではない
●射手・銃手は考えて動くポジションのため、処理能力の高さが重要
●狙撃手は成績が良い事に越したことは無い

という事が読み取れる。


隊員の処理能力の高さについては24巻の巻末おまけの遠征選抜試験のスコアを用いることで、BBF未掲載のキャラもグラフに組み込むことが可能だ。


まずは成績グラフの『成績の良さ』と試験のスコアがどのように対応しているか確認するため、BBFの成績グラフと試験のスコアが両方開示されている隊員を抜き出してその傾向を見てみようと思う。

その結果ややばらつきはあるものの、成績の良さと試験のスコアには相関関係があると言って良いだろう。

この結果を元にすれば、BBF未掲載の生駒隊、王子隊、漆間隊を試験のスコアから逆算して成績グラフに組み込むことが出来る様になる。

細井の導出過程➡https://twitter.com/wanotamishirasu/status/1556293851274702850?t=1LyH6BMO2O3mekMX7DWBKQ&s=19


以上の結果を見るに『成績グラフ』『生身の運動能力グラフ』のどちらでも、ポジション毎に隊員がまとまって配置されているように見えるため、ポジション別ランクを決定する際ある程度参考になるだろう。

しかしポジション毎の適正が高くなる方向は見えたものの、ランク順通りになっている訳ではないため手放しに参考にすることは出来ない。

よって方針⑤は、方針①~④でどうしても結論を出せなかったときの最終手段として用いようと思う。


例えばアタッカーランクを考察する際、方針①~④を用いても辻と黒江のどちらを上位に置くかの結論が恐らく出せそうにない。
そんな時は方針⑤を用いて、グラフ上でアタッカー適正が高い黒江を辻より上位に置くことがあるという事だ。



方針⑥:ランク付けに関連しそうな特筆すべき事情があれば、方針①~⑤よりも優先する場合あり

個人ランク戦の結果や新人王、その他訓練順位や入隊時の個人ポイントなど、隊員のランクに関係しそうな要素は作中に多数存在する。
その中で気になるものがあれば方針①~⑤よりも優先したり優先しなかったりする。




方針①:作中で個人ポイントやランク順が明かされている場合はそれに従う。
方針②:特別な事情によりPtと個人ポイントが対応していないキャラは、①と矛盾が生じない範囲でなるべく高順位に置く
方針③:論功行賞で個人ポイントが増えたキャラはやや高めの順位に置く
方針④:ポジション武器の反対側に武器を装備している場合は個人ポイントをやや低めに見積もる
方針⑤:ポジション毎の適正が高い隊員を高順位に置く
方針⑥:ランク付けに関連しそうな特筆すべき事情があれば、方針①~⑤よりも優先する場合あり


オールラウンダーランク編

まずはオールラウンダーランクについて順位付けを行っていく。



今回の考察で定義したオールラウンダーのランク付け方法についておさらいすると、


●オールラウンダーは最も個人ポイントが高い武器のポジション別ランク(攻撃手or射手or銃手ランク)に振り分けられる
●ポジション別ランクとは別に、近中武器の個人ポイントを1つずつ合算したポイントで順位付けした『オールラウンダーランク』が付与される

まずは万能手ランクを付けるために、万能手が装備している近中武器の個人ポイントをわかる範囲で整理していこうと思う


【木崎レイジ(7Pt)】
4章の考察でレイガスト:8000、アステロイド:11000と見積もったが、その時はかなり低めに見積もったため、矛盾しない範囲でもう少し高めのポイントに設定したい。

木崎のアステロイドのポイントは5Ptの里見の個人ポイントを下回ればいいため、木崎は11500点くらいまでならポイントを高く見積もってよいだろう。

また、合計点数を切りよくしたいのでレイガストを8500点である事にしたい。

よって木崎の万能手ランクは8500+11500=20000である事にする


【嵐山准(5Pt)】

嵐山の近中武器のポイントを考える際に質問コーナー⑪で取り上げられていたオールラウンダーの定義についておさらいしたい。

現在ボーダー全体のレベルが上がっているので、オールラウンダーの定義を8000ポイントにするべきだという声がある様だが、この意見は定義が変更されても万能手のままでいられる隊員が相当数いなければ出て来ない意見だろう。

最低でも万能手TOP3で挙げられていた木崎、嵐山、三輪の3人は定義が変更されてもおそらく万能手のままだろう。

嵐山は5Ptであること、中Pt>近Ptである事から、アステロイド:11000、スコーピオン:8000の合計19000点である事にしようと思う。


【三輪秀次(4Pt)】

4章の結論にて三輪はアタッカー寄りの万能手だと考察したので弧月のポイントの方が高いと考える。

三輪は論功行賞で1500点獲得したが方針③に従い三輪の個人ポイントは10000未満であるとする。

また、三輪と米屋は同格の様に扱われていると考えているが、ポジション武器である弧月と同じ段にアステロイドが装備されているので、方針④に従い米屋よりやや低めの個人ポイントであると考えたい。

そして感覚論だが三輪の方が片桐よりも個人ポイントが高くあってほしい気持ちがある。
片桐はガンナーTOP3のため北添よりも個人ポイントが高いはずだ。



以上を纏めると、三輪の弧月のポイントは、

米屋(9825)>三輪>片桐>北添(9728)であると考えたい。


よって片桐=9750、三輪(弧月)=9800であると考える。

4Ptのオールラウンダーもよほどの事が無い限り万能手の定義が変わっても万能手のままでいられると考えたい。
三輪は万能手のままでいて欲しいため、アステロイドは8000であるとする。

9800+8000=17800

【時枝充(4Pt)】

時枝充のPtの分割は4Ptの万能手の中で唯一中3Pt・近1Ptと偏りがある分割になっている。

メタ的な視点で言えば、もし時枝のPtを中2Pt・近2Ptにしてしまうと、嵐山隊の近中遠のチームパラメータが草壁隊とまったく同じになってしまうので、部隊毎の差別化を図るために時枝のPtに偏りを出したのだろう。

どんな意図があるにせよ、Pt分割に偏りがあるなら時枝の近中武器の個人ポイントにも大きな偏りがあるはずだ。

例えばアステロイド:9000、スコーピオン:6000の様に、極端に差があるポイント配分なら中3Pt・近1Ptとなっていても感覚的にはおかしくない。
また、生身の運動能力と成績グラフのどちらを見ても時枝はアタッカー適正の範囲から大きく外れている。


よって時枝の合算ポイントは9000+6000=15000である事にし、この配分を一つの基準にしようと思う。

以降2Pt・2Pt配分になっている4Pt万能手については、近中武器の個人ポイントの差が時枝より小さく(2000程度)なる様に配分を行う。


【木虎藍(4Pt)】
木虎の個人ポイントを図る時に注目したいのが、『入隊時初期ポイント』と『隊近界民戦闘訓練』の描写だ。

【4巻P165】
堤『いやー 一時期の新人が凄すぎただけでしょ 黒江が11秒 木虎が9秒 緑川なんか4秒ですよ?』

【5巻P78-79】
風間『戦闘用トリガーを使えばおそらくマスターレベル…… 8000点以上の実力はあるでしょう』
(中略)
忍田『初めから3000点くらいにして早めにB級に上げるべきだった たしか木虎は3600点スタートだったろう?』

木虎、緑川、黒江の入隊時期はそれぞれ異なっているが、堤の発言を元にすると3人の素質は緑川>木虎>黒江となり、3人の個人ポイントの大小関係も同じ推移になっているはずだ。

また、入隊時初期ポイントの大きさで見ると、風間から『空閑は8000点以上』と報告を受けた忍田さんが『空閑の初期ポイントを3000点に設定すべきだった』と判断しているため、入隊時初期ポイントが3600点の木虎の実力は8000点を大きく上回っているはずだ。

よって、大規模侵攻前のポイントで比較すると木虎の個人ポイントの範囲は以下の様になると考えられる。

緑川(9110)>>木虎>>空閑(8000相当?)

『8000相当』の空閑の初期ポイントが3000であり、木虎の初期ポイントはそれより600高い。
よって8000に+600して8600。

緑川の4秒に対して『5』秒遅い事から緑川の9110から-500して8610。

2つの要素の間を取って木虎の個人ポイントは当時8600程度と仮定しようと思う。

そして木虎は大規模侵攻で1級戦功を得ているのでそのポイントに+800し、2/10時点でアステロイドに9400程度ポイントがある事にしようと思う。

また、スコーピオン(改)には8000点付与する。
何故なら香取の例を見る限り、素質ある人間が半年も訓練を重ねればマスタークラスになる事が十分可能だからだ。(16巻P80)


【香取葉子(4Pt)】
香取の近中武器のポイントは、香取の入隊時期、回想時の髪の長さと服装、ROUND5開始前の若村との口論の内容からある程度推測する事が可能だ。

若村との口論の中で香取がポジションを転向した時期の回想の絵があったが、その時の香取の服装と髪型を纏めると以下の様になる。


入隊後しばらく:香取はアタッカー➡ガンナーに転向(服装は長袖、髪は短い)
入隊後1年くらい:香取はガンナー➡オールラウンダーに転向(服装は半そで、髪はまだ短いので本編時間軸から1年以上前と思われる)

つまり若村が言っていた『半年でマスターに上がった香取』とは、香取がスコーピオンでマスタークラスになった事を示している。


次にガンナーからオールラウンダーに転向した時には服装が長袖から半そでに変わっているため、入隊後1年くらいの時期にオールラウンダーになったのだろう。

これらを踏まえると香取の入隊時期とポジションの推移は以下の様に考えられる。


入隊時期:2013年5月入隊
入隊後~6か月:香取はアタッカーでマスタークラス達成。その後ガンナーに転向した時期は11月頃。
7か月~1年後:香取はガンナーで最低でも6000ポイント獲得。その後ガンナーランクで伸び悩みオールラウンダーに転向した時期は5~7月頃。
1年後~2年半後(現在):現在ガンナーランクが付与されている事から、アステロイドの方のポイントが高くなっている。

*26


よって香取のスコーピオンは8000点以上、また現在ガンナーランクに在籍している事からアステロイドのポイントはそれ以上高い必要がある。

香取は木虎に対してコンプレックスを抱いている描写が多いので、長い間木虎よりガンナーランクで下回っていたと思われる。
よって香取のポイントは木虎の大規模侵攻前の8600を下回ると考えた方が自然だろう。


同じく4Ptの隊長兼エースである荒船のポイントが8349である事から、それよりも高いポイントであってほしい。
よって香取のポイントは、アステロイド:8400、スコーピオン:8000である事にする。


香取や村上の例を見る限り、素質が高い隊員は半年もあればマスタークラスに到達する事が出来る。
しかしキャリアを積んだ隊員でも5Ptに到達できている隊員は一握りであり、香取の言う『上級者の壁』というものが確かに存在する。

4Pt勢の多くは『上級者の壁』に阻まれポイントの増加が鈍化し、入隊時の素質の高い隊員に後から追い抜かされることもしばしばあるのだろう。


【歌川遼(4Pt)】

公式にアタッカーと間違えられるくらいであるため、万能手の定義が変わった時に万能手でなくなってしまう隊員の一人と扱っても良いだろう。(質問コーナー⑤)

ポジション武器であるスコーピオンを同じ段に装備しているので、アステロイドにポイントが分散せず、アタッカー寄りの戦いをする限りアステロイドのポイントはそれなりに低いと思われる。

ただし歌川のPtは中2Pt、近2Ptであるため近中武器のポイント差は2000程度までに抑えたい。

また、入隊時の個人ポイントは木虎よりも低く2950であるため、素質の高い木虎に個人ポイントが抜かされている可能性が高い。
だが歌川は入隊後2年くらい経っているため、入隊時の素質の差はある程度埋まっているはずだ。

よって歌川の個人ポイントは木虎よりも若干低くスコーピオン9300、アステロイド7300の16600である事にしようと思う。


【佐伯竜司(4Pt)】

草壁隊と王子隊はどちらも機動力に秀でた部隊であり、部隊コンセプト的に草壁隊が上位互換となる様な関係になっていると思われる。
後述する理由により王子の個人ポイントは8600だと考えているため、佐伯のポイントを王子より少し高く見積もり、アステロイド:8700、弧月:8000である事にする。


【烏丸京介(4Pt)】
烏丸は一年ちょっと前に玉狛支部に異動になって以来本部にはたまにしか来ておらず、個人ランク戦も最近行っていないため他の隊員よりポイントをやや低く見積もっても良いだろう。(4巻P175・5巻P96)

ガンナー寄りであるため、アステロイド側に2級戦功+350を加算し、アステロイド:8350、弧月:8000である事にする。


【柿崎・照屋(3Pt)】

キャラクターパラメーターだけ見ると柿崎はTOTAL47、照屋は45であるため、柿崎をランク上位においても良さそうだが、他でもない柿崎がその数字を否定している(16巻P184)

そのためこの2人の順位を考えるためにはもっと別の視点からのアプローチが必要だろう。

よってこの2人は方針⑤のグラフから読み取れるポジション適正で検討してみようと思う。

柿崎と照屋の二人は中Ptの方が高いので『成績グラフ』から読み取れる中距離手としての適性の高さが最も重要になるだろう。
2人を比較すると照屋の成績の方が圧倒的に良いため、アステロイドのポイントは照屋の方が大きく上回っている様に思える。

よってガンナーランクでは照屋の方が高いと考えて良いのでは無いだろうか。

一方柿崎は『生身の運動能力』だとトップクラスに高く、スポーツ全般を好きな物に挙げているので万能手適正は高い様に思える。

つまりガンナーランクだと照屋が上だが、オールラウンダーランクだと柿崎の方が上という相互互換の持ちつ持たれつの美しい関係性になっているのでは無いだろうか。

よってこの2人のランク順は、オールラウンダーランクでは柿崎>照屋、ガンナーランクでは照屋>柿崎である事にする。


【海老名・早川(3Pt)】

B級最終順位を参考に海老名>早川であるとする。
また、照屋と柿崎は論功行賞を得ているため、この2人より高い順位である事にする。


【帯島ユカリ(2Pt)】

4章の考察で、巴(6559)≦帯島・樫尾<影浦(6780)と考えたのでそれを元に帯島のポイント付けを行う。

帯島はポジション武器である弧月の反対側にアステロイドを装備しているため、樫尾よりポイントを低く見積もる。

よって、樫尾は6750、帯島の弧月は6700であるとする。
また、帯島のアステロイドはオールラウンダーとして最低限の6000であるとする。

【北添秀高(2Pt)】

近中武器ともにオールラウンダーとして最低限の6000である事とする。
なおガンナーランクに居ることにしているため、アステロイドのポイントは6100を付与する。


以上の考察を元に作成したオールラウンダーランクはこうなった。



アタッカーランク編


1章の考察において、2月10日時点のアタッカーランクは、5位生駒、6位一条、7位迅であると結論付けている。

よって8位以下の順位をつけて行く。

なおヒュースはまだ入隊していない時期のため除外して考える。


【米屋陽介(4Pt)】
弧月(槍):9825
アタッカーランク8位

【三輪秀次(4Pt)】
弧月:9800
アタッカーランク9位

【緑川駿(4Pt)】
スコーピオン:9721
アタッカーランク10位

【歌川遼(4Pt)】
スコーピオン:9300
アタッカーランク11位


【菊地原士郎(4Pt)】
歌川と菊地原の入隊時初期ポイントはそれぞれ2950と2800。
この差を参考にし、菊地原の現在のポイントは9150であるとする。


【王子一彰(4Pt)】

王子隊と香取隊は似た編成の部隊のため、恐らく王子は香取よりも個人ポイントが少し高いくらいに収まると思われる。
同じく香取よりも上位に位置付けた木虎と実力が拮抗しているのではと思い、王子の強さについてTwitterでアンケートを取ってみた。

あまりにも拮抗した結果になったため、王子の個人ポイントは1級戦功を得る前の木虎と同等と考え8600である事にする。


【黒江双葉(4Pt)】

木虎の時と同じく『隊近界民戦闘訓練』の撃破秒数から個人ポイントをこじつける。

緑川の4秒に対して『7』秒遅い事から緑川の9110から-700して8410。

キリよく整えて個人ポイント8400である事にする。


【辻新之助(4Pt)】
弧月:8232
アタッカーランク15位


【南沢・笹森・三浦・小荒井・奥寺・熊谷・影浦・樫尾・帯島】

元マスタークラスだった南沢の個人ポイントを7900に設定する。

そして笹森以下は個人ポイントがほとんど開示されているため、それに従い順位をつける。



【常盤・月見・土崎・茂手木・計良(2Pt)】

正直B級下位については情報がほとんどないため、基本的にはB級ランク戦終了時点の順位に従いランクを付けたいところだが、彼らのランクを付けるにあたり新しく提唱したい序列がある。

それはBBFでトリガーセットが公開されている掲載順だ。

各部隊の隊員の掲載順を見るとどの部隊にも共通している優先度がある。

【トリガーセット公開優先度】
優先度①:隊長が最初、OPが最後
優先度②:本編でビジュアルが解禁済みのキャラ(例:草壁隊)
優先度③:主要キャラ(表紙を飾る程度に主要なキャラ)(例:嵐山隊・影浦隊)

他にも年齢順やポジション順、部隊結成順等の条件を組み合わせる事が考えられるが、どのような優先順を組んでも二宮隊と弓場隊で矛盾が生じてしまうため、優先度④以降は部隊によってパターンが分岐すると考える。

優先度④-A:年齢順(例:二宮隊・生駒隊)
優先度④-B:部隊結成時から居る古株が優先➡新入りは下に(例:片桐隊)
優先度④-C:ポジション順(AR➡AT➡GU・SH➡SN➡TP・SP)(弓場隊)


例えば生駒隊の南沢はアタッカーのためポジション順で言うと戦闘に来るはずだが実際には最下位にトリガーセットが紹介されている。
よって生駒隊は年齢順に記載されている部隊という事になる。

次に王子隊だが、アタッカーである樫尾が最下位に掲載されている理由は年齢順だとも考えられるし、王子隊結成時の新入りだからとも考えられる。

つまりポジション順に反してアタッカーなのに掲載順が最下位になっている隊員は、新入りor部隊の末っ子である可能性が極めて高いのだ。
年下だからと言ってポイントが低いとは限らないが、今回は年齢に注目してランク付けを行いたい。


具体的に言うと松代隊の土崎、海老名隊の茂手木、常盤隊の計良はアタッカーだが最下位に掲載されているため、相対的に個人ポイントが低い隊員の可能性が高い。

よってB級下位の2Ptアタッカーの順位は、新入りの可能性が比較的低い常盤と月見を高ランクに配置し、そのほかはB級ランク戦終了時点の順位に従いランクを付けていく。
(土崎のみ松代隊時代の序列を優先し、海老名隊の茂手木よりも高い順位に置く)

よって常盤>月見>土崎>茂手木>計良の順にランクが高いことにする。


シューターランク編

シューターランクは二宮、出水、加古までは確定しているため、4位以下のランク付けをしていこう。

那須玲(5Pt)】
まずは残った射手の中で単独5Ptの那須を4位である事にする。

【蔵内・水上・早川(3Pt)】
蔵内は合成弾持ちのシューターのためトリオンが豊富で得点機会もそこそこあると思われる。
よってランクは蔵内>水上>早川である事にする。


【三雲修(2Pt)】
三雲のシューターランクを考える際にまず考えたいことがある。

それはパラメーターTOTALで勝っている唯我に1対1では負け越している事だ。


パラメーターTOTALで言うと三雲は32、唯我は26。
それにも関わらず唯我が勝ち越すという事は、『キャラの総合的な強さ』と『1対1で戦った時の強さ』には別の評価軸が用いられている。

例えば中距離手同士が1対1でぶつかる時には、【特殊戦術】と【指揮】が影響しないと考えるとどうだろうか。
(以下【トリオン、攻撃、防御・援護、機動、技術、射程】の6つのパラメーターのTOTAL値を【TOTAL6】と表現する)

個人ランク戦での勝敗が【TOTAL6】の値に依存すると考えた場合、三雲の【TOTAL6】は22、唯我の【TOTAL6】は24となり、唯我が勝ち越していてもおかしくないバランスになる。
つまり作中で出水が語っていた『単独の戦力なら(唯我は)メガネくんよりはまだ上』とは【TOTAL6】の値を踏まえての発言では無いだろうか。(13巻P67)

ただし【TOTAL6】の値はランク付けの指標として手放しに使用できる評価軸ではない。
実際【TOTAL6】の値を4Pt以上の隊員に適用してもランクとの相関性は薄く、ランク付けにはとても使用できそうになかった。

しかしB級下位であれば【TOTAL6】の値を活用できる可能性がある。

小南曰く『B級中位は下位グループと違って部隊毎に戦術があってちゃんと戦いになっている』(10巻P154)
つまりB級中位より上は部隊毎に連携が取れているので部隊単位で勝つことができ、パラメーター以上の結果(個人ランク)を伴う事もあるが、B級下位は部隊毎の連携が拙いため個人技に頼る事が多く、隊員の個人ポイントは『単独の戦力』に由来する【TOTAL6】の値次第で決まると解釈できなくもないからだ。

よってB級下位が大半を占める2Ptであれば、『単独の戦力』に由来する【TOTAL6】の値を用いてランク付けできると今回は判断する。


以上を踏まえた上で中距離手の【TOTAL6】の値を見てみようと思う。

よって2Pt以下の射手のランク順はC級の甲田と早乙女を除いて、間宮(2Pt)>鯉沼(2Pt)>三雲(2Pt)>秦(1Pt)であることにする。

ガンナーランク編

ガンナーのTOP3は里見、弓場、片桐までは確定しているが、今回の考察ではオールラウンダーも含めたガンナーランクで考えて行こうと思う。

既にオールラウンダーランクで示したポイントがある場合はそのままガンナーランクの序列に用いる。

【里見一馬(5Pt)】
里見のポイントは12000未満で設定する。
今回は11700であるとする。

【木崎レイジ(7Pt)】
方針②に従い、矛盾が無い範囲で高順位に置くために、木崎はガンナーランク2位のアステロイド11500点とする。

【弓場琢磨】
今回の考察ではB級ランク戦の不調に伴いガンナーランク一位から転落したことにしているため、出来るだけ高いポイントを想定し、アステロイド11400であるとする。
ガンナーランク3位

【嵐山准(5Pt)】
ステロイド:11000
ガンナーランク4位

【片桐隆明(4Pt)】
ステロイド:9750
ガンナーランク5位

【北添尋(4Pt)】
ステロイド:9721
ガンナーランク6位


【犬飼・漆間(4Pt)】

犬飼はポジション武器の逆側に射手ハウンドを装備しておりポイントが分散してしまうため、個人ポイントが他のガンナーに比べ相対的に低くなってしまう事が考えられる。

一方漆間はメテオラをサブ四段目に配置しているため、ポジション武器であるアステロイドのポイントが分散する事は無い。

よって方針④に従い犬飼の個人ポイントは漆間よりも若干低い事にする。(漆間のポイントを相対的にやや高く見積もる)

犬飼澄晴(4Pt)
ステロイド:8422

漆間恒(4Pt)
ステロイド:8450



【諏訪・松代・柿崎・照屋・海老名(3Pt)】

万能手ランクの時に宣言した通り、ガンナーランクでは照屋>柿崎である事にする。

また、諏訪と照屋のトリガー構成を見ると、諏訪は両手にアステロイド散弾銃を装備しているためポイントが分散しない。
よって方針④に従い諏訪>照屋である事にする。


柿崎は2級戦功を得ている事から、他のB級隊長である海老名と松代よりランク上位においても問題無いだろう。
また、B級ランク戦ROUND1~ROUND4において松代隊>海老名隊であるため、松代>海老名であるとする。

*27

以上の事を踏まえ、3Ptのガンナーランクの順位は、諏訪>照屋>柿崎>松代>海老名である事にする。



【来馬・巴・堤・茶野・藤沢・吉里(2Pt)】

三雲のシューターランクを考える際に用いた【TOTAL6】の考え方を出発点として、2Ptガンナーのランク付けについて考えて行こうと思う。

まずは論功行賞を得た来馬、巴、堤について考えてみる。
この内来馬と巴については2Ptの上限である7000点を超えてそれぞれ7222点と7009点となっている。

つまりこの2人は2Ptの若村よりランク上位に居ることが確定する。

また堤は2Ptの隊員の中ではぶっちぎりで【TOTAL6】の値が高い。
よって堤は来馬よりもポイントが高いと考え、2級戦功を得る前のポイントは2Ptの範囲内で上限いっぱいの6950とし、そこから+350点追加して7300であるとする。


巴と来馬は【TOTAL6】の値で若村に劣っているが、論功行賞によってランクが逆転した事が分かったので、この逆転現象を一つの基準として捉えたい。

【TOTAL6】の値を用いてランク付けを行う時、その差が『3』程度なら2級戦功による+350点増加でランクを逆転しても良いと考えよう。



次に論功行賞を得た茶野と藤沢について考える。

この2人は隊長である茶野の方がTOTAL6の値で低くなっているが、成績グラフと生身の運動能力グラフを見ると、体力でも成績でも藤沢>茶野となっている。
よって茶野の方がランクが低くても特に違和感は無いだろう。

それを踏まえた上で、論功行賞を得た茶野隊の2人のランクをどこまで押し上げて良いか検討する。

先程の例を見ると【TOTAL6】の値の差が3程度ならランクを上回ってよいと考えたため、その理屈を茶野と藤沢に当てはめると、藤沢は吉里をランクで上回ってよいが、茶野は吉里を上回ってはならない事になる。


よって2級戦功の+350点込みの茶野と藤沢のガンナーランクは、藤沢>吉里>茶野である事にする。


【唯我尊(2Pt)】

5章の考察では、Ptに差がある同士で戦う場合にその差が1Ptなら勝率が7:3になると考察した。
しかし唯我と修はどちらも2PtでありPtに差は無いが、200本勝負の結果は152:48と勝敗に偏りが生まれていた。(13巻P84)

つまり同じ2Ptの中でも勝率が7:3となってしまう強さの壁、すなわち個人ポイントの境界値は存在するはずなのだ。

2Ptの範囲内でその境界値がどこになるのか予測するため、勝率が7:3になる時のポイント差を確認してみた。

すると3Pt以上の戦いでは、個人ポイントが2000点差開く毎に勝率7:3の壁が生まれ、3Pt以下の戦いでは1000点差開くと勝率7:3の壁が生まれる事が分かった。

つまり2Pt同士で戦う場合も、その点差が1000点開く毎に勝率7:3の壁が生じるのでは無いだろうか?


この法則を唯我と三雲の勝敗結果に当てはめてみようと思う。

修の個人ポイントはROUND3開始前に4309(11巻94話)、ROUND4開始前に4282(13巻112話)だったため、唯我と修行した時点で修はおおよそ4300点相当の強さを持っていたと言える。

そして修と唯我の200本勝負の勝率を%で表すと、24%:76%になる。

勝率が3:7以上に開いているため、唯我のポイントは修よりも1000点以上は高いと予想できる。


修と唯我のポイント差についてもう少し厳密に考えたい。
このポイント差と勝率の関係が仮に線形で表すことが出来るとすると、500点差開く毎に勝率が10%上下すると言い換える事ができる。

つまり修の勝率は30%から更に6%低いので、個人ポイントの差は更に300点開いている事になる。

よって唯我の個人ポイントは修よりも1000+300=1300点高い5600相当であると結論付ける。


【北添(秀)・宇都宮・船橋(2Pt)】

B級ランク戦最終順位を参考にして、宇都宮>船橋>北添(秀)である事とする。


木虎被害者の会である草壁は恐らく木虎(4Pt)に大敗しているため2Pt相当の実力だと思われる。その上で若村より強いとなると、草壁は現時点でガンナーランク21~22位の間ぐらいの強さを持つのだろう。(24巻カバー裏)


スナイパーランク

スナイパーランクは一位の当真と二位の奈良坂まで確定している。
3章で考察した捕捉&掩蔽訓練の順位を活かしてスナイパーランクを考察していこうと思う。


【東春秋(6Pt)】
残った狙撃手の中で最もPtが高い東がスナイパー3位だろう。

【絵馬ユズル(4Pt)】

【13巻カバー裏】
青春狙い撃ち ユズル

うぶな風情とは裏腹に、女子と絡んでいるスキルを生来備え持っている思春期ブラックホール。当真、影浦、二宮といった高ランクキャラとの関係性も完備しており、あとはラグビーさえ始めれば今後の大活躍は間違いないと営業部長も太鼓判を押している。訓練の手を抜いている割に中学生組トップの個人ポイントを持つ、数少ない天才型。

中学生組トップの個人ポイントを持つということは、緑川よりも高いポイントを持つということだ。
このプロフィールが明かされた13巻発売時点では緑川のポイントは既に9985➡9721に減少しているため、絵馬の個人ポイントは最低でも9721よりも高ければ問題ない。(11巻P92)


4Pt勢の個人ポイント上限は10000であることから、絵馬の個人ポイントは9999~9730の範囲に収まると考えられる。
よって今回は間を取って9850である事にする。

この個人ポイントは4Ptが取り得る範囲の中でかなり高い数値であるため、絵馬は4PTスナイパーの中で最も高い順位、すなわちスナイパーランク4位であると考えて良いだろう。


【佐鳥・宇野・桃園・荒船(4Pt)】

佐鳥と宇野を比較した時、1級戦功の+800の補正を抜きにしても佐鳥の方が高順位であると考えている。

威力が比較的低いライトニングをポジション武器として使っている可能性が高いからだ。

【BBF-P219】
ライトニング

軽量の上に小ぶりなので、体の小さい隊員でも扱いやすい。撃ちながら移動する事も可能だ。

イーグレットの威力はBである一方ライトニングはCなので得点力で言えばイーグレットを使っている佐鳥の方が高くなるはずだ。
そもそも宇野は武器を2種類装備しているので、普段の使い分けによりポイントが分散してそうな事を踏まえると、個人ポイントは佐鳥>宇野となるだろう。

よって論功行賞の補正無しで考えたときの個人ポイントの大小関係はおそらく

佐鳥>宇野>桃園>荒船(8349-350=7999)となるだろう。

また、嵐山隊の中での嵐山以外の個人ポイントの大小は、エースの木虎を一番高いと考え、佐鳥と時枝は武器の攻撃力の高さから佐鳥>時枝となるだろう。
よって論功行賞の補正無しで考えたときの個人ポイントの大小関係は、木虎(8600)≧佐鳥>時枝(8200)であると考える。

以上より4Pt狙撃手の個人ポイントの大小関係を

佐鳥8550+800=9350、宇野8500、桃園8400である事にする。


隠岐・穂刈・半崎・外岡(3Pt)】


この四人は訓練順位で考えると、外岡>半崎>穂刈>隠岐の順になる。

次に2級戦功の+350ポイントの影響を考えたいが、狙撃手の訓練順位を決定づけた4つのパラメータのTOTAL値は半崎(32)、穂刈・隠岐(28)のため、+350程度でこの序列を覆すのはやや違和感が大きい様に感じる。
よって、TOTALを大きく逆転しない範囲で穂刈・半崎を高ランクであると考え、ランク上では半崎>外岡>穂刈>隠岐の順であるとする。

【古寺・別役・雨取・日浦・乙川・斎藤(2Pt)】


この五人は捕捉&掩蔽訓練の順位だと、乙川(27~28?)>古寺(27)>斎藤(27?)>日浦(27)>別役(25)>雨取(19)の順になっている。

2級戦功を得た古寺と別役はTOTALを逆転しない範囲で高順位であると仮定し、ランク上では古寺>乙川>斎藤>日浦>別役>雨取の順であるとする。



ソロ総合ランク編

4つのポジション別ランクを作成したのでその順位を元にソロ総合ランクを作成していく。

なおここまで個人ポイントが判明してない隊員に対して、目安のポイントを大体50刻みで付与してきたため同率の隊員が結構存在する。
その場合はポジション毎の得点しやすさを考慮して、攻撃手>狙撃手>射手・銃手の順でランク付けを行うものとする。


【1位~10位】

1位~4位までは作中で明かされているため、5位以降の隊員について予想していく。

方針②に従い、残った隊員の中で7Ptとなっている小南、加古、木崎を矛盾しない範囲で最も高順位となる位置に置きたい。
だがポジション別ランクで決めた順位では、加古は出水より下位、木崎は里見より下位である必要がある。

よってソロ総合ランク5位には小南を位置付ける。


次に6位についてだが、二宮と1対1で4割勝つことが出来る出水を位置付けたい。
5章でも考察したが、Ptに差があるのに4割勝つことが出来るという事は、出水は6Ptの中でかなり有望株だと考えられるからだ。

出水を6位に置いたので、方針②に従いその次の7位に加古を位置付ける。


残った6Ptの奈良坂、東、村上だが、村上を最下位に位置付ける。

そもそも6Pt下限の12000点は村上の個人ポイントを参考に設定したからという理由もあるが、村上は個人ポイントが低い影浦空閑とよく遊んでいるため、個人ポイントが低くなりやすいと思われるからだ。


よって、8位奈良坂、9位東、10位村上である事とする。


【11位~17位】

次に5Ptの隊員及び迅のランクを付与する。

11位里見、12位木崎までは確定とする。
5Ptの中で目安のポイントを設定していない雪丸のみランク順が曖昧だが、弓場➡生駒➡嵐山の19歳組をどうしても並べたいので、雪丸はそのあとに続く16位である事にする。

そして2月10日時点で迅の個人ポイントは10000点であると仮定しているため17位に配置する。


【18位~(4Pt)】

ポジション別ランクを検討する際、4Ptの隊員にはできるだけ目安のポイントを設定する様にしたので、そのポイント順に並べてランクを付与する。


【41位~(3Pt)】

3Ptの頂点は元マスタークラスの南沢であるとする。


次に考えたいのが蔵内がどのあたりに位置しているのか?という事だ。

6章のチームパラメータ予想の際はTwitterアンケート機能を参考にして3Ptであると結論付けたが、その結果王子隊の合計Ptは9Ptとなり、B級最終順位で他の10Ptチームを差し置いてB級5位に君臨するというやや異質な立ち位置になってしまった。

だが蔵内と神田を3Ptにしたことで、初代弓場隊がA級にギリ行けていなかったことへの理由付けにもなっていたため、蔵内に3Ptを付与した事はそこまで的外れでは無かったと思う。

これらの違和感を最小限にするためには、蔵内はマスタークラスに限りなく近い3Ptだと考えるべきだろう。
よって蔵内は南沢に次ぐ42位である事とする。


次に考えたいのが照屋が新人王を争ったというエピソードについてだ。(16巻P182)
照屋の同期B級には半崎、熊谷、巴などが居るが、この3人よりも個人ポイントが高い事になるだろう。

よって43位以降の順位は、諏訪➡照屋➡柿崎➡半崎➡外岡➡穂刈➡隠岐(49位)である事にする。


そして隠岐の順位が決まったのでそろそろ水上に順位を付与したい。
恐らく修が水上より隠岐を警戒していたのは、個人ポイントが一つの要因だったと思われるので、水上のソロ総合の順位は隠岐より低いのだろう。

なんとなくだが水上は笹森、三浦より上位であってほしい。


よって隠岐➡水上➡笹森➡三浦(52位)である事にする。



このあたりから2級戦功で+350点得た2Pt勢が順位争いに絡んでくるが、ポイントが明かされていない3PtのB級下位隊長の3人は2Pt勢にまだ抜かされていない事にする。

よって松代➡海老名➡早川(55位)

熊谷の順位付けは保留する。


【56位~(2Pt)】

まずは2級戦功+350点により7000点を超えた隊員に順位を付与していく。

堤と古寺は個人ポイントが明かされていないものの、A級隊員である古寺はそこそこ高い順位であってほしい。

よって、堤(56位)➡古寺➡来馬➡小荒井➡奥寺➡熊谷➡巴(62位)である事にする。

古寺を高い順位に置くという事は、捕捉&掩蔽訓練で古寺より高順位だった乙川もそれなりの順位に食い込んでくるはずだ。

だが若村も2Pt勢の中ではトップクラスの個人ポイントを持っていて欲しい。

よって巴➡若村➡乙川➡樫尾➡帯島(67位)である事にする。



【68位~(2Pt)】

ここから先残っている隊員はB級下位の隊長とその隊員がほとんどになる。

B級最終順位を参考にしてなるべくB級隊長➡B級隊員という順番になる様に順位の付与を行っていく。

B級最終16位 常盤隊
B級最終18位 吉里隊
B級最終19位 間宮隊
B級最終20位 茶野隊(茶野は2級戦功+350込みで上位へ)


まずは常盤を68位に位置付ける。

次に吉里をガンナーランクから引っ張り出すため、69位以降は藤沢➡吉里➡茶野(71位)である事にする。

そろそろ狙撃手TOTALで古寺・乙川らと同率の日浦を順位に入れないと違和感が大きくなるため、72位以降は斎藤➡日浦➡別役(74位)である事にする。

次に間宮を75位に添えてB級下位隊長の順位付与を完了させる。


残ったB級下位の隊員はB級最終順位を元に順位を並べていく。

よって月見➡鯉沼➡宇都宮➡船橋➡北添(秀)(80位)。

比較的新入りの可能性が高いアタッカー三人を北添秀高より下位において土崎➡茂手木➡計良(83位)。

そして唯我を84位に添える。


唯我以下はB級上がりたての玉狛第2の三人、及び1Ptの丸井と秦、野良B級約40名が居る事になるだろう。


今回野良B級は無視する事にしているため、唯我➡空閑➡三雲➡雨取➡丸井➡秦(89位)である事にする。


7章まとめ

今回7章に渡り考察を進めてきたがいかがだっただろうか?

はじめは影浦のアタッカーランクを調査していただけだったはずが、いつの間にかソロ総合ランク考察にまで手をかけてしまっていた。

本当はここから更に『風間さんがソロ総合9位になった時、当時のランク上位に沢村さんと寺島がいないと多分成り立たない事』や『遠征選抜試験の臨時部隊のチーム総合力から各チームが選んだヘルプユニットの理由』等の考察まで行いたかったが、そろそろはてなブログの文字数制限に引っかかってしまうため、それはまた別の機会があれば考察しようと思う。


考察を進めて一つ新たな要素を見つけると、連鎖する様に別の考察を行うための手掛かりにつながっていく。
これもきっと葦原先生が大きな理論体系を予め用意した上で世界観を構築しているからに他ならないからだろう。

とは言っても考察の最後の方は願望や感覚論が多くなってしまったので、きっと他の人が考察すればまた違ったソロ総合ランクの順位になると思う。

あえて明石氏の言葉を借りるならば『理屈と膏薬はどこにでもつく』、きっと同じデータや情報を見ても結局は自分の都合で解釈に偏りが出てしまうので、人によって導かれる結論は全く異なるものになるからだ。

今回自分が行った考察がどこまで正しかったのかはBBF2が発売されて初めて判ることだと思うが、この記事を最後まで見てくれた人の何かの役に立てれば幸いです。




それでは最後に今回の考察記事の内容を元におまけを作ったのでどうぞ。

おまけ

『作中のあのチームのチームパラメータ作ってみた』


~遠征選抜試験編~













~旧部隊編~





~大規模侵攻編~



~黒トリガー争奪戦編~

ワールドトリガー3巻P182(集英社葦原大介)】


結論:やっぱ黒トリガーはんぱねーな!!

*1:BBF-P36には天羽のノーマルトリガー使用時のパラメーターが存在するため、規格内のトリガーを使った経験があり個人ポイントを持っている可能性が高いが、天羽について検討するための情報が少なすぎるため今回の考察ではあえて触れない事とする。

*2:なお米屋はアフト侵攻で1級戦功を獲得しており、5巻40話時点の9443から+800されているため、10,000越え経験自体はあると思われる。

*3:順位入れ替えの可能性として、『雪丸がスカウト旅に行ってる間に、元7位の生駒が個人ポイントを稼いで順位が変動した』というパターンも考えられるが、その場合アタッカー5位に迅がずっと居た事になる。つまり迅の個人ポイントは12000~11177程度だったことになるが、そこに論功行賞のポイントを足すとあっという間に村上の順位を越してしまい、村上の順位が不動であることと辻褄が合わなくなってしまう。

*4:Q&Aでは合算ランクの存在が否定されているが、文脈的に『レイジが装備しているトリガーが五個も六個もまとめて全部合算される様なランク付けは無い』と言っているだけであり、近中二つだけの武器を合算するランクならば問題なく解釈できる。

*5:海老名隊のBBFのトリガーアイコンがトリガー名と一致していない誤植があるためややこしいが、海老名はアサルトライフル使いである。

*6:考察でまとめたデータの中で、荒船の被弾数及び来馬の与ダメージ集計に誤りがあります。申し訳ありません

*7:ただし木虎のみ機動と回避が対応していないためこの要素は要件等事項として残る(ジャンプSQ2022年9月号P449)

*8:その身一つで狙撃を防ぐ場合、素早く身を翻し回避するしかないが、【回避】は【機動】に対応しているのでやはり【防御】は訓練結果に影響を与えない。 (ジャンプSQ2021年12月号で判明したユニットのパラメータでは、香取の【回避】は8、三雲は4であり、それぞれ【機動】の値に対応している。) 音も光も無い補足&掩蔽訓練の射撃を見てから回避できるのか?という論点はあると思うが、ここで言いたいのは『回避の要素が【防御・援護】に含まれていない』という事なので、今回その議論は行わない。

*9:感覚派スナイパーという語句の初出は4巻カバー裏

*10:空席の12位、千佳より上位の14~18位の6人は野良B級だと考えている。 1巻P179で木虎が示した隊員の構成比をみるとA級は30名と記載されており、これは玉狛第一~片桐隊の戦闘員人数と合致する。つまりB級100名とは野良B級含む『戦闘員』の人数に対応しているため、BBF掲載のB級59名(三雲隊除く)を差し引くと野良B級は40名ほどいることになる。また、BBF掲載の正隊員のポジション毎の構成比をみるとスナイパーは約17%。 この割合を野良B級に当てはめると、40人×17%=6~7人。つまり野良B級スナイパーは6人程度いても良い事になる。 また、捕捉掩蔽訓練の物語での役割は、『千佳は実戦形式だと正隊員と遜色ない実力を持っている事』を示す事である。 そのため野良B級含む正隊員の中で最下位の19位に千佳は配置されたのだろう。 なおこの訓練の参加者は127名であり、その上位15%と言えば丁度19位。狙撃手が正隊員になれる条件と一致している。

*11:桜子がB級に上がって以降荒船はずっとスナイパーだったと認識されていたので、長期間弧月を使用する場面はまったくと言って良いほど無かった様だが、『いざとなれば弧月を使う事が出来る』という余裕が重要なのだ。

*12:千佳の爆撃を防ぐため二宮は常にシールドを張っていたので、これらの操作は全て片手で行う事が可能

*13:加古さんが野良A級だった時代の事を考え出すとキリがないので今回の考察では考慮しない。(BBF-Q236)

*14:何より加古さんが7Ptだと二宮と同格な事になるためなんか嬉しい。

*15:三雲と空閑は千佳にポイントを移したので実質0(10巻P129)

*16:論功行賞の補正を差し引く場合、6Pt下限の参考として位置付けた村上の12042からも350差し引くことになるため、今度は6Ptの基準も動いてしまうのでは?という議論が発生するが、村上の場合は個人ポイント詐欺の影浦と個人ランク戦でよく遊んでいるため、ボーナスポイントを既に溶かした結果が12042であると考えれば問題ない。11巻P91で個人ランク戦ブースに来るのは珍しいと米屋に言われているものの、村上は最低でも2月6日、2月10日、2月23日に個人戦ブースに訪れているため、週1くらいのペースで本部に来ている計算になる。よって米屋が言った珍しいというのは、米屋の方が個人戦ブースに来すぎているからこそ出た発言と思われる。また、19巻P154で示された遊真VS村上の遊真の勝率は38.8%。小数第2位を四捨五入して勝率38.8%となる試合数の組み合わせは、試合数が少ない順に、49戦19勝、67戦26勝、80戦31勝となる。11巻P106、13巻P38の個人ランク戦結果を見るに、遊真と村上は5本セット単位で勝負を行っているため、キリの良い80戦を累計で行っていたと思われる。つまり村上と遊真は一度ランク戦ブースで遊ぶ毎に大体20戦以上は戦っている見込みになる。村上と影浦も同じ程度ランク戦を行っていたとすると、大規模侵攻の論功行賞が付与された1月21日~2月10に至るまでの約3週間の間に、村上と影浦は40~50戦行っていてもおかしくないことになる。緑川と遊真が30戦行った結果264ポイント移動したため、村上と影浦が40~50戦程度も戦っていれば、350ポイントくらいは既に移動していてもおかしくない計算だ。

*17:巴と帯島は共に14歳。そして2年前当時唯一の小学生正隊員が巴なので、帯島のキャリアは長く見積もって1年ちょっとだろう。樫尾は木虎被害者の会の一員であり、同様に木虎被害者の会員である草壁は木虎と同期入隊である事から、樫尾の入隊時期も2人と似たような時期だと思われる。(19巻、24巻カバー裏)

*18:太刀川に7:3くらいで勝ち越す忍田さん(BBF-Q126)、その忍田さんと同じくらいの強さと評される有吾さん(10巻P168)、天羽のSEで忍田さんに色分けが似ていると判断されたガトリン(15巻P19)の三人は、ボーダー隊員の最高レベルを超える9Pt相当なのかもしれない。

*19:合同訓練は週2回行われるが、5巻P70の会話から訓練で満点or1位を取り続けても1週間で200ポイント程度の増となる様だ。一方部隊ランク戦でのポイント増減は修の戦績からある程度予想できる。修の個人ポイントはROUND3時点で4309(11巻94話)、ROUND3終了後に4282(13巻112話)だったため、このマイナス27ポイントは那須に落とされて増減したポイントになるだろう。那須と修の個人ポイントには倍ほどの差があって30点程度なら、マスタークラス犇めく環境で2Pt相当の隊員が落とされても大した痛手にならず、訓練で満点を取り続けて得られるポイントの方がやや高くなると思われるので、鳩原のポイントは微増を続けていたと思われる。

*20:生駒のみ特別扱いされる事も十分考えられるが、今回の考察では『近』にのみPtが付与されると結論付けた。

*21:『A級エースレベル』ではなく、『A級レベルのエース』である事について注意が必要。『A級エースレベル』だった場合、A級部隊のエースクラス、つまり最低でも雪丸の5Pt相当の強さが要求されるが、『A級レベルのエース』の場合『A級隊員の平均(4Pt相当)と同等レベルの隊員がB級部隊のエースの位置に収まっている』と解釈が出来るようになる。

*22:加古のみ改造トリガー装備による個人ポイントリセットで里見を下回る可能性あり

*23:弧月でマスタークラスになった直後に狙撃手に転向した荒船のポイント配分を見る限り、メインで取ったポイントがメイン側に武器に振り分けられる事は無い様だ。

*24:ガイストは多分汎用オプションのため同時使用するためには武器をメイン側に固める必要があるのだろう。旋空を抜いてシールドを入れているのも『甲』シフトのため?(9巻P71)

*25:ほとんどの隊員が同じ武器を同じ段にそろえているのも、使い易いからという理由以外に、ある武器で稼いだポイントが別の武器に分散する事を防ぐ目的があるのかもしれない。

*26:香取がアタッカー引退宣言後、銃手ランクにしばらく居たことがこの会話から確定しているので、スコーピオンでマスタークラスに到達していてもガンナーランクに入ることが出来る理由を探さなくてはならない。 香取がアタッカー引退宣言後にトリガーセットからスコーピオンを外していたと仮定すれば、『香取がガンナーにポジション変更できたのは剣トリガーを装備していなかったから』と解釈できる余地がある。 スコーピオンを用いてアタッカーランクを上げていたが、上級者の壁を感じてガンナーに転向。 ガンナーランクでも伸び悩んだ末、スコーピオンを再度装備して万能手になるという順序だったと思われる。

*27:おそらく松代隊が羽鳥隊になったタイミングはROUND5開始前では無いだろうか? 『松代隊』という表示が作中で描かれたのはROUND4終了時点が最後であり、それ以降一切描写されていない。(16巻P53) それまで松代隊はROUND1・ROUND2・ROUND4終了時点で15位であり、16位の海老名隊より上位にずっと居たがROUND5を境にランク戦で表記されていない。 ROUND5昼の部で16位の海老名隊が勝利しB級中位に上がれたのは、ROUND5以降松代隊に松代が居なかった事が要因の一つだったのでは無いだろうか。